会議
教室を締め切り
入り口と反対の窓際に三人、僕、加藤、菅さんで、仲良く座って見つからないように小声で相談していた。
「日本中で、暴動が起きているみたい。ニュースで流れてるけど、全部此のゾンビみたいな奴なのかな?噛みつくとか書いてるし。」
加藤がスマートフォンを見ながら話しかけてきた。
「かもね。さてとりあえずこの後どうする?此のまま立て篭り続ける訳にもいかないだろ?」
僕が相槌を打ちつつ、此の後どうするかを考えるように促す。
菅さんがおずおず手を挙げボソッと、
「食堂に逃げ込むのは?食べ物も少しでもあると思うし。」
食堂は一階中庭にあるこじんまりとした建物で校舎から独立して建てられている。
「逃げる際に食糧だけ取りに寄るのは良いと思うけど、彼処じゃゾンビ共が殺到されたらあっさりと突破されそうだよね。ドアは硝子だし。」
僕がやんわりと駄目出しを出す。
「とりあえず、出るにしろ、此処に居るにしても、何か武器になるような物探そう。
手ぶらじゃ何も出来ないよ。」
加藤も菅さんの意見聞きつつ提案してくる。
「そうだね、音を立てないようにね?探してみよう。」
僕も頷き、菅さんもそっと動き出す。
掃除道具入れを開けた時に「ガタ」と音がした時には三人とも焦った。
結局、T字型の長めの掃除具が二本とカッターナイフが二振り、アルミ製の塵取り一つが見つかった。
T字型の掃く部分を壊し、棍のようにして二人にわたし、カッターナイフも二人に渡した。
「真田君はどうするの?」
菅さんが素手のままの僕を心配してきいてきた。
少しどうするか悩みつつ、仕方ないかと諦める。
「僕は此れを使うさ」
僕は指輪に手を当て、微笑んでいた。
読んで頂きありがとうございます。
次回、仁君の無双始まります。