表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/39

異世界

空は雲一つも無い晴天、森に降り注ぐ太陽の光は葉の間から木漏れ日となり幻想的な風景を作り出している。


気温も丁度良く、時節吹き抜ける風が心地よい。こんな日はお弁当とレジャーシートを持ってピクニックに行きたいものである。



そんな絶好の天気の中、家の一室に篭もり向かい合って座っている少女と男の姿があった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



厨房での桜夜の反応を見たマーリンは少しポカンとしていたがすぐ合点がいった様子で、後で説明するから桜夜に朝食ができるまでリビングで待っているように促すが、本人は「見ていたいです。」と先ほどの

驚き表情から一転し、好奇心に満ちた眼をキラキラさせながらマーリンが調理する様子を見学していた。





その後完成した朝食を美味しく食べた2人は、現在窓際にあるソファーにテーブルを挟んで座っている。


お茶も準備し長話する体制をバッチリ整え、桜夜はマーリンの話に耳を傾ける。




まず今桜夜がいるところは「セレスティア」と呼ばれる世界であるらしい。つまりここは日本ではなく、地球ですら無い。つまり俗に言う異世界ということになる。その事実に桜夜は驚愕した表情を浮かべるがマーリンは話を続ける。


セレスティアは地球のように科学技術は発展しておらず、代わりに魔法が人々の生活に根付いているそうだ。


先ほど厨房で見たものも魔法の一種で生活する中で使うことは勿論、時には攻撃の手段にもなる。


魔法には莫大な種類があり、その数は一生かけても遠く及ばないと言われている。したがって魔法の種類を区別するためには基準が必要であり、一般的に用いられているのが属性という概念である。属性は主に火・水・風・土・光・闇に別れているが中には例外のものもある。なぜかというと魔法は自分が持つ魔力を空間に干渉させることで事象を起こす力であるため、アイディアしだいでオリジナルの魔法を作ることが可能であるからである。オリジナルで作られ、尚且つ属性のカテゴリーに入らないものを無属性魔法という。近年無属性魔法が増えすぎて収集がつかなくなってきており、新しい基準を作るべきという運動も起こっているらしい。


ちなみに魔法を使うには元来の魔力量と魔力の成長率については個人差があるものの、誰しも必ず魔力というものがあり、努力しだいで誰でもある程度は使えるようになる技術であるらしい。その話を聴いた桜夜は魔法が自分でも使えるかもしれないという期待に胸を躍らせた。




・・・ここで話は変わる。先ほど話したように桜夜は地球から今いるセレスティアにやってきた。地球から来た桜夜はセレスティアという世界にとっては異世界人という存在になる。


しかし、長いセレスティアの歴史の中で桜夜が初めての異世界人というわけではないという。


過去には復活した魔王を幾度と無く退け、民を救い世界を平和に導いた何人もの異世界人の話が英雄伝として現在も伝わっている。小さい頃から話を聞かされて育った子ども達は、男の子は英雄になることに憧れ、女の子は英雄の花嫁になることに恋焦がれる。そんな異世界人の先輩たちの伝承が伝わっているセレスティアの民は異世界人に対してとても好意的である。ただ・・・


「君の性別に問題があるんだよ・・・」


とマーリンは深刻そうな声でつぶやいた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ