登山隊
吹雪が視界を遮っていた。
僕は今エベレストの頂上に向けて歩いている。
最初、登山隊は7人で構成されていた、しかし今は見る影もなく全員がいなくなり僕が一人この極寒の地に足跡をつけている。一歩一歩とくたくたになった上げられない足を無理やり動かす。吹雪の中周りは何も見えず、見えるのは地面だけだ。
少し時間がたって僕は洞窟を見つけた。ひとしきりに安心して、ひとまずここで休憩を取りまた歩くことにした。洞窟の中外から聞こえる吹雪のヒューヒューという音が僕の歩いていた時の記憶を鮮明に思い出させる。僕はもうちょっとここにいることにした。
僕が登山にはまったのは大学一年生のころだった。大学に入学した初日、一人で歩いていた僕を見つけた二人の先輩が半ば強引に登山サークルに入れさせられたことがきっかけだった。それから僕は幾千もの山を登り切りこよなく登山を愛することになってしまった。しかし、あの頂上に上った時のは大学に受かり、親ともどもと喜びを分かち合った時より僕にドーパミンの分泌を促進した。そういうふうに昔の思いにひたっていると遠くから声がした。
僕を探している声だ。僕は慌てて下におろしていた荷物を担ぎ上げて声のするほうを手掛かりに再び迷路の中にはいった。声を目印にちょうど歩いて少し経った後、やっと複数の人影が見えて僕は安どした。僕が声に応答すると、向こうも僕を認識したのか、声を出すのをやめた。顔が見えるほど近くまで行って僕は今までの経緯を説明した。登山隊の隊長も僕に笑顔で大丈夫と言って軽いハグをした。登山隊は気を取り直して僕含む7人で無事にエベレストの頂に到達した。
大きく息をすい、仲間と喜びを分かち合った。




