第18章:虚しき炎(第3部)
収穫と火薬
リックはもはや、単なる被害妄想狂ではなかった。彼は世界の「終焉」の目撃者となっていた。 脈動する『黒い根』の網目を通して射し込む、病的な朝の光の下で、彼は理性が死に絶えた後に残された唯一のものを求めた。 それは、暴力だ。
教会に救いを求めたのではない。 市民たちが花の陶酔に身を委ね、理性を手放していく中、唯一規律を保っていた勢力を探したのだ。 ――銃士団である。
リックは、農業区画の防壁の裏で、彼らが塹壕に身を潜めているのを見つけた。 数は少ない。彼らの軍服は汚れていたが、それは灰によるものではなく、黒い花粉と乾いた血によるものだった。 リックは彼らにウィリアムの末路を、そしてあの「甘い香り」がいかにして肉体よりも先に精神を食らい尽くしたかを語った。
リーク隊長――胞子を吸いすぎた者の特徴である、死人のような灰色がかった肌をした古参兵は、地面に唾を吐き捨てた。
「生物学的封じ込めプロトコルは試した」
彼はライフルの撃針を調整しながら、金属的な響きを持つ声で言った。
「祈りなんざ『剣の教団』に任せておけ。俺たちにあるのは鉛玉と、自由だけだ」
リックは首を横に振り、太陽を覆い隠す巨大な植物の構造体を指差した。
「鉛じゃ足りない。あいつらが俺たちの命を食らって生きているなら、消化できないものを食わせてやる必要がある」
その発想は、単純ゆえに残酷だった。 樹木が感染症であるならば、完全なる滅菌が必要だということだ。
彼らは植物を焼き払う作戦に出た。 それはある程度の成功を収めたかに見えた。露出した根を焼くことには成功したのだ。 しかし、それは徒労だった。翌日にはまた、根は再生してしまうのだった。




