第16章:パラノイア、銃、そして隣人たち(第3部)
第一部:水と風
リック:銃士団
リックはポーチの戸口で立ち止まり、アサルトライフルHK-93を肩にかけながら眉をひそめた。クレセント・ヴァレーという小さなコミュニティにおける唯一安定した生命源であるはずの川が、病的な色を帯びていた。泥ではない。まるで灰色の粘土を溶かしたかのような、淡く濁った紫色だ。
「いや、ありえない」リックはつぶやいた。ライフルを置き、二年前から設置してある古い貯水タンクへ直行した。最低限だけ水を満たし、蛇口を閉めて密閉する。川が汚染されている、あるいはそう思われた。
空気も変わった。通常は北から来るはずの風が、今や南の廃墟の方角から吹き付け、妙に馴染みのある香りを運んでいた。隙間から忍び込む、乾いた灰のような匂い。しかし、それに加えてリックが判別できない別の匂いが混じっていた。
娘のアマリアが戸枠に現れた。リュックを背負い、苛立ちをかろうじて抑えている。
「パパ、近所の子たちと遊びに行っていい?いい天気なのに」
リックは振り返った。彼の顔は、何年ものサバイバルで培ってきたパラノイアの仮面だった。「ダメだ。風向きが変わった。またあの灰を運んできている。何かが...何かが起きている。家にいろ」
「もう、パパが言うこと!」アマリアはリックを見ず、過酷な幼少期の古いおもちゃへ戻りながら言い返した。「いつものように、パパが過剰に心配しているだけよ」
路上での激しい口論と、ガラスが割れる音が彼女の反論を遮った。アマリアは身をすくめた。通りには緊張が張り詰め、影が普段より早く動いているようだった。
リックはただ川を指差すだけだった。「誰かが川を毒した、と俺は思う...」
アマリアは関心なさそうに、「パパの言う通りね...」とだけ答えた。
第二部:最初の夜と灰の目覚め
夜が訪れた。空は灰の霞に覆われ、星は見えない。人々はパラノイアと血管を巡る毒に駆り立てられ、ますます暴力的になった。暗闇の中で妄想が噴き出した。
一部の隣人は、目を見開いたまま、皮膚が青白くなった塩の彫像のように、通りの中央で動かずに固まっていた。他の一部は、最初は「普通」に見え、訪問を装って家々に近づいてきたが、その目は虚ろだった。彼らがまともでないのは明らかだった。
風はさらに灰を運んできた。そして灰と共に、人々の攻撃性は増していった。
リックはそれに気づいた。窓のバリケードの隙間から覗くと、数人の隣人が通りを理不尽な怒りに駆られて動き回っているのが見えた。彼らは他人を襲っているわけでも、略奪しているわけでもない...**何かを探していた。**しかし、あの盲目的な絶望感で何を探しているのか、リックにはまだ見当がつかなかった。
「彼ら自身も何を探しているのかわかっていないようだった」 「だが、その表情からして、それを見つけたところで良い結果にはならないのは明らかだった」
第三部:樹木と肉の疑念
翌日は、静かな惨状の上で夜が明けた。通りは空だったが、昨夜の痕跡、乾いた血、ひっくり返った家具、そして灰のように固まったままの数人の人影が残されていた。
暴力を免れた残りの隣人たちは、過去の遺物である銃器を手に持ち、リックを睨みつけていた。彼らはリックを汚染の一部であるかのように、目を離さなかった。
リックは川に戻った。灰で満たされ、匂いは耐え難く、飲料水として使えないことが確認された。動物たちは異常な行動を示していた。鳥は飛行中に地面に衝突して立ち上がらず、川の近くの植物はすべて、まるで植物性の癌に蝕まれたかのようにしおれていた。
視線を上げ、振り返ると、前日にはなかったものが視界に入った。
地平線、町の廃墟の外、おそらく森の中に、樹木の梢が顔を覗かせていた。その色は磨かれた黒曜石、絶対的な黒。巨大で未知の黒い鳥たちが、腐肉を待つ猛禽類のように、その周りを旋回している。
「あの木は昨日なかった」 「風はあの方向から来ているようだ」 「川は毒されている」 「何かが恐ろしく間違っている」
家に戻る途中、リックは自分の正気を疑う光景を見た。若く美しい女性が路上の中央に立っており、露出の多い服装だった。彼女の顔は苦痛の嘆願のようだったが、紛れもなく非常に女性的で、場違いな幻影のようだった。リックは昔ながらの分別から目をそらしたが、まだ腐りきっていない本能だった...
だが、視線を戻すと、その女性は消えていた。
「隠れたのか?まさか、きっと錯乱しているに違いない。きっと空気に何かが混じっていて、それが皆に影響しているんだ...」 「もしかしたら、本当に俺がパラノイアなのかもしれない」 「もしかしたら、俺の言うことを聞かない娘の方が正しいのかもしれない」
リックは見たものに重要性を与えなかった。それは場違いで、疑う余地もなかった。
家に戻ると、隣人たちはやはり警戒心を持ってリックを見ており、視線を外さなかった。なぜかわからなかった。
「川の水を汲んだ?」アマリアが尋ねた。
「ああ、だが間違いない、川は毒されている。何か人々に影響を与えている。川でなければ空気だ」リックは自分の言葉が虚しく馬鹿げていると感じながら言った。
「パパ!お願いだから馬鹿なこと言わないで。ただの被害妄想よ」アマリアはためらいなく言った。「パパが何度も考えすぎて、何も起きなかったことがどれだけあったの?」
「多分、お前の言う通りだ、娘よ...もうそれ以上は考えない」それがリックの最後のコメントだった。
第四部:根の侵略
リックは再び家を出て、あの黒い木のあった場所に目を向けた。一瞬、それがさらに大きくなり、より濃密に、光を吸収しているように感じた。
二度目の夜が訪れた。リックは再び神経質になっていた。人々は家から出て、遠くの何かに見入るかのように、まるで凍りついた操り人形のように路上で麻痺していた。
昨日は暴力だった。今日は「静かすぎる」、静かすぎるかもしれない。
夜の闇の中、リックは灰をまき散らす、不定形の影を見た。それは動物のように、目的もなく歩いていた。ある時は犬のように、ある時は人のように、またある時は隣人のゆっくりとした歩みを真似ているようだった。その見たものは、来た時と同じように去っていった。
夜が明けて、朝が来た。
家から出ると、リックは地面の何かに躓いた...
それは根だった。蔓に似た形をしていたが、何とも言えない悪臭を放ち、その都度思い出すような匂いだった。その根は玄関先の舗装を突き破り、地面の奥深くから伸びていた。そこから、奇妙な、黒い花が顔を覗かせていた。
これらの根が自分の家だけでなく、場所全体にますます存在感を増していることに気づくのに時間はかからなかった。
そして、遠くの暗い樹木は、ますます大きくなっているように見えた。この調子でいくと、まもなく太陽を覆い隠してしまうだろう。




