終の魔王
私の姉は魔王、名はフィルメ、人間で言うと10歳、
そして私の名はフィルミユ、人間で言うと8歳、
魔王である姉は、人を殺し、残酷だと恐れられている、でも、
それは全部人間の思い込みでした。
姉は、魔王の屋敷周辺で怪我したりした人は手当するし、
死んでしまった人は墓に入れる、そして、妹である私を可愛がってくれる
優しい人だった。
そんな優しい姉が恐れられるようになったのは、あの事件以来だった、
~事件~
100年前くらいのこと、ある日、8歳の姉は私と庭で遊んでいた。
その時、11歳くらいの男が近づいてきたかと思うと、
急に剣を構えて、「死ね!!」と叫んだ。
そして、男は姉ではなく私を狙って殺そうとしていた。
その頃の私は今よりも臆病で、姉のデコピンで気絶するような弱者だった。
そして私が殺されそうになった時、急に姉が男の手首に、不自由の呪いをかけた。
そして、男が叫んだかと思うと、男は右手が不自由になっていた。
そして、男は姉に、「いつか絶対殺してやる!」
と言って逃げていった。
その事件は姉のせいだと人間は言っている、私は許せなかった、でも我慢した。
でももうそんなことは忘れてもいいと思った。
「そんなこと忘れて早く姉ちゃんとあそぼ!」
その日は、姉と鬼ごっこをしたり、歌ったりした。
次の日は、暑かった。
私と姉はお揃いの白くて装飾もない白いワンピースに水色のリボンがついた
麦わら帽子をかぶって、お茶会をしていた。
「姉ちゃん!水遊びしようよ!私たちはお客も来ないし礼儀なんて気にしなくて
いいんだし!」
私はその時は遊ぶことしか考えていなかった。
「いいわよ!どっちが早く川に行けるか競走ね!」
そして自然豊かな山を下って、川に着いた。
「わあ!透き通ってて綺麗だね!ガラスみたい!」
私は久しぶりにこの川に来るので興奮していた。
「イエーーーイ!」私と姉は勢いよく川に飛び込むと、水をかけあったり
木の下で持ってきたアイスを食べたりして楽しんだ。
そうして楽しんでいた時、急に現在の勇者と思われるものが来た。
「ここにいたか、魔王フィルメ、今からお前を地獄へ送る」
そして急な出来事に驚いているフィルメの腹を切りつけた。
実はフィルメは防御力が弱く、弱点は腹だった。
そして当然フィルメは気絶し、勇者に連れて行かれた。
「姉ちゃんを返して!」
そう言った瞬間、勇者が振り向いた。
そして私を剣で切りつけて気絶させると、足を掴み、
引きづりながら人間の街へ向かっていった。
目が覚めると、私は広場にいて、周りには大勢の人たちが歓声をあげていた。
そして私が最初に見たのは姉の生首だけ、そして私は理性を失った。
気がつくと、あたり一面血の海になっていた。
肉片が転がり、建物も廃墟となり、私はもうこの世を終わらせると決め、
そして全ての国を壊し、殺し尽くした。
私はわらっていた、そして自殺した。
【もう生まれてくんなよ!】
残酷すぎたか?