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06地球と首相と大統領

売る品物をなんとか考えないと。

ジャニク達は空き地セットはどうだと言われて、成る程と売り物リストに書き込む。


「あれなら防衛機能紙だから他に使い道はないから、安心して渡せる。技術も保護プロテクトギチギチにして、知れないようにしないと」


「私がギチギチの、ギチギチにしておきますよ」


「アルメイ!そういえばそっち方面得意だったね。忘れてた」


「最新の宇宙船の整備も全て完読してますし、技術も会得してます」


なんか昔、アルメイの天才ぶりに世間がざわついたのを思い出したが、周りにサブカル布教することに集中してたら終わってたな。


「アニメ布教隊の活動は今現在始まったばっかりだから、アルメイには沢山負担してしまってない?」


「平気です。楽しいです」


顔は変わらないがニコッと笑う気配がする。

幼馴染の特権で理解できた。


「あとは管理局の許可が出たら出発だな」


「うん。遂に、やっと、地球に行けるんだ……!」


目が輝くのは止められない。

それから2週間後、大統領が来た。

ん????

なんで大統領?

ゼクシィの管理局の人が私達を呼ぶと思っていた。

大統領の意味を辞書で引きながらおもてなしした。


「大統領、来られるとは思いませんでした」


両親も揃っていた。


「リーシャくん。君が地球に行くと言うか、見送りたいと思っててね」


「軽いですね大統領。仕事は抜けてきて大丈夫なんですか?」


「平気だ。仕事はもう終わったから残りはプライベートだよ」


ちら、とボディガード達を見て、それが真実だと分かった。

本当にヤバいな。

同席していたジャニク達は大統領に気さくに話しかける。


「お見送りってことは、話し合いが済んだんですか?」


「ああ。見つけた時点でやり取りをしていたので、いつでも行ける」


「大統領ガチファン過ぎて笑えない」


ジャニクが真顔で震える。


「どうやら色々配慮してもらえたみたいで、ありがとうございます」



アルメイに合わせて私達も頭を下げた。

感謝である。

大統領はドヤ顔でえっへんとしていた。

我が星の大統領可愛すぎる。

自慢したいけど威厳とかあるかもしれないから拡散できないや。


「出来たなら、ノラえもん全巻を持って帰ってきて欲しい。うん、うん。無理にとは言わないけど」


結構言ってる大統領は可愛いので許される。

あと、頼むものも小規模で可愛い。

全力で私は大統領にノラえもんの漫画とアニメをプレゼントしたい。

喜んでな空気に私達はほんわかした。

ほのぼのアニメもまっしぐら。


両親達もいってらっしゃいと送り出してくれる。

私達の準備も整っていたので早速船を動かした。

動くもなにもAIが勝手にしてくれる。


勝手に動くってサイコー。


ウキウキを胸に私達はえんやこらと船でワープを使いつつ、非常にSFを味わいながら向う。

なんていうか、ここまでくるとどう感想を抱けば良いのか。

宇宙技術すごいなぁって思ったんだけど、長旅ではないから3人でしりとりして過ごした。

トラブルもなく水の惑星に到着。

えっと、こっから確か大統領に手前で連絡するように言われたので、電話する。


「あ、大統領。手前に着きました。次はどうしますか?降りて良いんですか?」


と訊ねれば既に連絡済みなのでいつでも良いらしい。

しかし、私達も向こうとファーストコンタクトしたかったんだが、本当に平気なのかな。


「よおし、行くよ2人とも」


2人が頷いたのを見て、ワープを地球へと合わせた。


そうして、3人は一緒に蒼き地球へ降り立った。




***




景色が船内から外へ切り替わり、久々の酸素がリーシャの肺に入ってくるのが分かる。

酸素ってこんなふうだったんだなと感慨深く感じていると、幼馴染2人の手がこちらの手を握ってきた。

珍しい行為に眼を向け他の景色を探す。


観察している目と当たる。

ああ、ああそうだ。

私達はれっきとした宇宙人だった。


「初めまして」


「「はじめまして」」


2人には既に挨拶の言葉を教えていた。

翻訳機能もあるから流暢な地球の言葉が話せる。


そこにいたのは沢山の人。

その中にどう見てもアメリカっぽい国とか、日本人っぽい人が居て、多分うちのゼクシィ大統領が日本人を指定してくれたのだろう。

だろーね。

アニメもノラえもんも日本だから。

ストレートに注文するなら他の国を介してなんてまどろっこしいよ。


「初めまして」


「ようこそ。ここはアメリカの地球大使館です」


「わざわざお出迎えをありがとうございます。私達はゼクシィという星から来ました。私はリーシャです。この子はジャニク、この子はアルメイ。見た目は幼児ですが成人前の年齢です」


「アメリカ大統領──です」


「日本首相──と申します」


ほわあ。

日本にアメリカ、とわたしは噛み締めた。


「ゼクシィ大統領から話は伺ってます。この冊子を渡すように言われました」


「ん?」


なんで私達にではなく、彼らに?

と思ってアルメイ達は「旅のしおり」と明らかに狙って作られた冊子の文字の下にあるキャラクターにパッと目を開く。


「「「ノラえもん!!」」」


成程、なるほど。


先に渡したのはそういうことか。

国民的アニメキャラを冊子に使わせる為に預けたみたい。


「ゼクシィ大統領にも10冊お渡ししております」


それ私達に渡せたよ?

ということは、全て自分の懐に入れたなあの人。


だからわざわざ、うちにくるくらい上機嫌だったのかも。

ちゃっかりしてるよ、さすが。

どうぞ、と冊子を渡されてアルメイとジャニクはその絵に感動して震えている。

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