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飯マズ脱却の為ならサブカルを布教する〜小説アニメまんがは異星で大人気〜  作者: リーシャ
番外編

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40/53

声優になれると聞いて2

大統領はそれをそっと見守っている。

よっぽどのことがないと口出ししないのだろうね。

地球に関しては私に一任してくれている節がある。


「その、宇宙人という言葉に不快感はありませんか?」


「ありません。私達も自分たち以外の種族は総称することは、良くありますから。宇宙人と呼ばれてもなんとも思いませんので、これからもお好きに呼んで下さい」


エイリアンと呼ばれても自分達はゼクシィ人だという意識しかないので、どう呼ばれても誰も気にしない。


なにかマナー違反とかでもなし。

私達は笑みを浮かべて大丈夫と太鼓判を押す。


彼らは安堵した。

それを見ながら更に進めていく。


双子の兄弟はアルメイ達。

姉役はリーシャと書いてある。


「お前が姉?キャハハ、帰ったら皆に教えてやろう」


「笑い事にしてますが、からかわれるのはジャニクもですよ。言わぬ方が良いと思います」


アルメイが眉をハの字にしているようで、変化のない顔。

ジャニクは「え?」とアホ子な顔色を浮かべる。


「私達は良くひとまとめにされてますが、兄弟とは思われてません。今回の方が露呈すれば、私達を兄弟と言い始めるのは簡単に予測出来ます。まあ、いずれゼクシィにも放映されるのだから、遅かれ早かれでしょうが」


「だってさ」


リーシャは先程のからかいを返す。

あはは、とジャニクに向けてそっちも同じく巻き込まれるのだと笑う。


ジャニク達の熱い要望により声を聞いて欲しいと言われ、今回の双子のシーンを再現して聞いてもらうこととなった。

マイクはいらないのかと言われ、要らないと2人は意気揚々と台本を手に立つ。

2人は声合わせをしてないけど、発声練習はゼクシィでしている。

それに、昔から紙芝居を3人でしているのでやってないよりは出来ると思う。


「では、お願いします」


担当の方が2人に開始を指示する。


アルメイ達はすうと息を吐く。


『星の声を聞いたの』


『僕もだ』


『『僕達は星を救いたい』』


次々に醸し出される台詞。

担当者達は思っても見なかった美味さに目を見開いて唖然としている。

気持ちは痛いほど分かる。

宇宙人だから出られるという価値観しか、担当者達は感じてなかったのだ。


思わぬ事態に、担当者達は2人がセリフを全て言い終えると、全員がコソコソと肩を近寄らせて言い合っている。

して、話し合ったのか彼らは台本に変更を入れさせてくれと言い始め、3人はにんまりと笑う。


「多少セリフが増えるかもしれないです。変更後の台本は次回に用意します」


という、人達の言葉に待ちますと私達は合意。

増えるということは悪くなかったってこと。


「では、次回に」


お互い話を終わらせるとノラえもん関係の人たちは去っていく。

見送ると大統領はエクセレント!とみんなを褒める。


「いやー、素晴らしかったよ!流石はアニメ布教隊。幼き時から皆に物語を読み聞かせていた実力を彼らは遂に知ったのだ。誇らしい。大統領からのご褒美スタンプだ」


と、私達の姿をデフォルメしたスタンプを1人ずつくれる。

地球産かと思いきや、ゼクシィで制作したんだとか。

私の会社の商品として売り出すんだよと言われる。

初耳だ。

私達の商品って今まで無かったかも?


山田は思っていたよりも上手い声音に内心驚いていたが、外交を思い出して切り替える。


「お疲れ様でした」


「山田さんもお付き合いしていただき、ありがとうございました」


山田は特に話し合いの時に何かいうことはなく、トラブルがあった時の為にいてくれていたのだろう。


私達は一旦ゼクシィに戻る。


「おいおい、台詞増えるってよ」


話を聞いてからのもう特訓と、その前からの活動の成果に幼馴染達は嬉しそうに言う。


私はもう特訓はしてないから、素人だけど。

アルメイらは彼らの驚きにドヤっていたり、台本を読み返したり忙しそうにしている。


「良い役もらえたね」


2人は楽しそうに語り合っていて、今後の活動にも力が入る。


リーシャはそれを見守り、地球とのやり取りを細かくしていく。


「向こうの準備が出来たって」


1週間の間が空き、担当者達の変更などといった予定が終わったと連絡をもらい、再度地球へ。

大統領は今回居ない。

3人で部屋に入ると前の顔ぶれが増えていた。


「声当ての責任者です」


「初めまして」


緊張している様子の相手にこちらも怖がらせぬように朗らかに対応。


怖がらせるつもりがなくても向こうが勝手に想像で恐るのは地球に限ったことじゃない。

ゼクシィ人として我々は常々礼儀を疎かにしないのだ。

地球の挨拶ややってはいけないことなどきちんと調べる。

幼馴染達だって、こうやって地球人に合わせてくれているし。


「新しい台本です」


「頂きます」


台本が手前に来て、2人も私も楽しみに開く。

言われたページへ目を向けると、セリフが倍以上増えている。

前の台本はちょこっとだったから、気を遣った結果、あれほど少なかったのだと余計に実感する。


1週間で増やせたということは、セリフ多いバージョンが前から存在していたという見方もある。


アルメイらはセリフの増えた部分を嬉しそうに眺めている。


「年末スペシャルですが、まだまだ余裕があります。スケジュールはこんな感じになります」


スケジュールは30分の映像を一日で済ませるので1ヶ月は調整で必要だと説明されて、私達は頷く。


「そちらのスケジュールに合わせます」


「音声を録音する専用スタジオがあるのですが」


「「行けるの!?」」


と、ジャニクとアルメイが興奮。


「ええ。うちのチームも楽しみにしてます」


ノラえもんの制作チームがノラえもん大好き星人を歓迎する。

私も逆の立場なら同じく嬉しさで諸手を上げるよ。


そこからワゴンで移動し、ノラエモンの会社へ。

車に乗っているけど、車内は無言。

幼児が見た目だから、余計に話しかけられないのかも。


「あの、話せる範囲で聞かせてもらいたいのですが、劇場版の話は進んでますか?」


ノラエモンの劇場版は夏にする。

今作ろうとしているものをいつ公開するのかは分からないけど、私達は関係がない状態なので、情報が入ってこない。


「はい。大統領さんがアイデアを出してくれたりして、大変ありがたいです」


彼らの顔は嫌な気分ではなさそうなので、本当に話は良い感じみたい。


「なにより、ノラエモンに対するリスペクトが凄くて。そちらの方に驚いてます」


布教した私でさえ、彼らのリスペクトに驚かされる。

私を超えた濃いファンが生まれてしまっているわけで。


「そうですね。大統領は今や宇宙一ノラエモンを宇宙に広めてますから」


「宇宙、ですか?」


「はい。友好的な星などに放送してます。評判も良いです」


すると、担当の人達が震え出す。

ギョ、となるのは主にリーシャだ。

はて、なにかいけないことを言っただろうか?

 

内心オロオロしていると、担当者の男達は冷や汗まで流すではないか。


「あの、私何か変なことを言いましたか?」


山田に顔を向けて首をかしげて、問いかけてみる。


「そうですね。規模に度肝を抜かれてらっしゃいます」


規模?


「一つの星で人気爆発ってだけでも心臓持たないのに、他の星まで?といった具合ですね」


山田が分かりやすく解説してくれる。

遠回しよりもこういう方法の方が凄く助かる。

難しい言い方をしても、簡単な言葉を最後には願うんだろうし。

それなら、山田みたいな言い方が好ましい。


「成る程、そうですか」


頷きつつ、笑みを保ちながらリーシャは彼らを安心させるように意識する。


「大丈夫ですよ。人気ということでなにか変わることはないですし、地球が慌てるようなことになっても、こちらでなんとかする方法もあるので。皆さんはいつものように暮らしてください。貴方がたの生活が変わるような事もないです」


「そ、そうですか」


「他の星の窓口はゼクシィですので、地球が他の星の相手をすることもないので」


ゼクシィだけでも水に溺れている気分なのだろうし、他の相手なんてさせたら、いつも通りの生活が手につかなくなる。

そうなると地球の素晴らしいアニメも漫画もゲームも生産性が低下。

それはゼクシィからすれば避けたい。


地球側の製作者達は本当だろうか?という思考が過ぎるが、どれだけ考えても自分達がどうにかできる理由がないと、諦めと共に考えるのを止めた。

それをなんとなく察し、リーシャは時間をかけて知ってくれれば良いと、長時間待つ方針にした。

年単位になる。

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