34電子空間
ダイブするのは私達3人と大統領とボディーガードの3人。
計6人だ。
6人でなにをどうゲームができると言うんだろう。
シナリオ型とは感動したけど、結局なにをどんなゲームにしたのか大統領しか知らない。
「ほああ!」
「ひ!」
誰かの興奮を抑えられない声音が近くで聞こえて肩が揺れるくらい、びっくりした。
誰かの悲鳴かと顔を向けるけど誰の声か分からなかった。
「ノラえもんとノビノビくんの家!」
大統領が手ずから説明してくれた。
え?これから逐一解説するの?
これってノラえもんミュージアムの時を彷彿とさせる。
「私達はどこに居るのですか?」
「電子空間だよ」
サラッと言っているけど、凄すぎて技術力が天外突破だ。
「電子ですか。映像の中に私達は入っているのですね」
いや、アルメイの理解の速さがおかしすぎないか。
そういえば、アルメイは天才だったわ。
ジャニクなんてひたすら家を見て興奮して、飛び跳ねているもん。
「シナリオ型だから質問しても答えてくれるよ。ノラえもんとか登場する人達の解析をAIに学ばせたから、かなり柔軟にしてくれるよ」
「大統領すげー」
私はいつもの態度を忘れて純粋に言う。
地球でもまだ作られてないVR、又はフルダイブ技術を飛び越えて、丸々こちらの星が再現してしまったわけか。
自分で言うのもなんだけど、すごい星に生まれたもんだなあ。
「大統領、このVRゲーム、地球に販売したりするんですか?」
「そうだね。ノラえもんの魅力を地球の人たちにもっと知って欲しい。そりゃ知っているから、言われなくてもって言われるかもしれないけど。ウチの星ならではのノラえもんの魅せ方を地球にも見て欲しい!」
キラキラした顔で語る大統領に、こくりと頷く一同。
「さ、ノビノビくん役に設定しているから、ドアを開けたらシナリオは始まるよ」
「ドアを開けたい人」
「「はい」」
アルメイとジャニクは同時に挙げた。
うん、わかってたわかってた。
「二人で手をかけて開けようね」
幼児に言うように、二人へ告げる。
ここでじゃんけんしようねと言おうものなら、のちに遺恨が残るかと。
ジャニクはアルメイと目を向けて二人で扉へ手を向けてドアノブへと触れる。
「アルメイ、楽しみだなっ」
「ええ」
アルメイは無表情だが、幼馴染アイでは興奮しっぱなしの、ジャニクと同じぐらいのテンションだ。
可愛い幼馴染達でほっこりほっこり。
ーーガチャ
「ただいま、だよ」
「た、ただいま?」
「ただいまあ」
大統領がアシストしてきて、3人は慣れない言葉に言葉が小さい。
シナリオ型ということは、模範した方が良さそうだ。
玄関を行くと前回、大統領の前倒し企画の時にやった、ノラえもんを実体化させた時のような光景がある。
階段前の部屋からノビノビママが顔を出す。
今の私たちはノビノビママの息子故におかえりと、小言が送られる。
「ノビノビママですよ、リーシャ」
アルメイが興奮した気持ちで体をガクガク揺らしてくる。
私達の時はノラえもんとノビノビくんの実態とプログラムだった。
結構大変だったけど、アルメイが頑張ってくれて実現したこと。
どれだけ凄い事なのかは彼女が知っているのかもしれない。
「本物みてえ」
ジャニクは触ろうとして、触れた事にびっくりした。
「なあに、ノビノビ。それよりも帰ったら勉強しなさいよ」
「おっわ。まじで言われた。最高じゃん!」
ジャニクは真っ赤な頬を揺らして、ノビノビママに答える。
「あとでする」
「なんですって?今直ぐなさい!良いわね!これはママからの決定です。遊びに行くのも許しませんッ」
と、初めから怒られる。
怒られても彼らは嬉しそうにヤイヤイと騒ぐ。
本当にノラエモンの世界にトリップしたような感覚にゼクシィの技術凄すぎると感嘆。
「ノビノビママに叱られるなんて私達の夢が叶いましたね」
「え?私は別に願ってない」
最後まで言い終わる前に興奮していた大統領がドヤ顔持参で「だろう!」と賛同したことにより、私もその枠に強制的に入れられてしまった。
ま、いいか。




