23ファンの子と周る
一通り、ぼんやりあやとりを見ていると、周りの子達は楽しそうにあやとりをしている。
私の時にはもう地球にあやとりの文明は文字と映像くらいで、実物のあやとりには触ったこともないくらい、あやとりがなかった。
初体験となるあやとりに四苦八苦。
指も軽く攣った。
シャラはキャラファンなのでやった事があるのか。
聞くと、あやとり本というものが大統領が私の会社に出版するようにして、出したのだと。
へえ、知らなかった。
知らないのかと驚かれるのだが、数多くのグッズがあるので覚えてないものも沢山ある。
まだまだ見るところは沢山ある。
正直、1年通っても通いきれない。
「グッズ売り場に行きましょう」
「はい」
2人で先にグッズ売り場へ。
売り場の規模がおかしい。
まるで、まるで。
大型販売ショップの倉庫の大きさ。
迷子になる。
拡張前は半分以下の規模だった、かも。
皆みたいに毎回行かないからなぁ。
私の場合、たまに行くから楽しいと感じる派だから。
頻繁に行かないようにしている。
ただでさえ、誰かに誘われていくことの方が多いからね。
「広い!広い!たくさん!」
シャラ、語彙力低下。
「ふふ。壮観だね」
「あそこにあるのは巨大ノラえもんフィギュア!きゃー!!」
走り出すシャラにリーシャはゆったりついて行く。
巨大ノラえもんフィギュアは大統領の家にいくつもあって、色んなポーズがあって、そこら辺に大統領の富が使われている匂いがする。
大統領は多忙なのだが、恐らく給料も一番良い。
ノラえもんに注ぎ込んでいるのは自他共に認められている。
私は親が買っているし、人に買うとその人の持っているものと被るだろうから、買わない。
買わないのも優しさなのである。
シャラが興奮して走り回ると、息切れしてしまい疲れてしまった。
それを見て、レストランへ行く。
勿論ノラえもん仕様で、ノラえもんに纏わるメニュー。
タケコフターカレー。
「黄色いタケコフターがしっかりカレーに突き刺さってて、食べ物だけど……うん。美味しいからもうなんでも良い」
「わあ!美味しい!地球の食べ物って色々食べてきたんだけど、どれも美味しいっ」
パクっと食べ続け、彼女はカレーの旨さに顔が溶けている。
「リーシャさん達の地球訪問がきっかけだって、ちゃんねるで見ました。」
「そうだねぇ」
「地球ってどんなところなんですか?私達にはまだワープが許可されていないんです。知りたいな」
「どんなところって、凄く抽象的で説明するの、難しいな」
「ちゃんねるでも公開してほしいなっ。お願いします」
「地球を撮影するのか。やってなかった。よし、やろう」
「え!本当ですか!?やった!言うだけ言ってみて良かった」
ばんざい、と手を上げて喜びをあらわにする。
「意見をありがとう。コメントでもあったんだけど、忙しくて最近、コメントをよく見てなかったよ」
シャラは嬉しくなって、手もみし始める。
「リーシャさんの配信、楽しみにしてますね」
「うん。ありがとう」
お礼を言うシャラはご機嫌でノラえもん体験ブースへ去っていく。
これ以上居るのもなんだしと、一足先に帰ることにした。
ノラえもんミュージアムから帰宅すると両親が揃っていた。
「どうしたの?」
「貴方が食べたかったロールキャベツを作ったのよ」
母がにこやかに述べ、父はほら、とテーブルへ連れてくる。
そこには食べたかったもの。
「うわー!」
ゼクシィでロールキャベツを食べられるなんて。
地球でも食べたけど、親が用意してくれたものは格別だ。
「食べてみて」
「父さんも食べたけど、美味しいね」
進められて食べる。
レストランで食べた分はもう消費されている。
「おーいーしーいー」
頬が落ちる。
作ってくれた気持ちも含めて、この星に生まれて、運が良すぎるのね。
泣きそうになったけど耐えた。
最後まで食べてお茶で閉める。
お茶も地球からだ。
嬉しくて、2人にありがとうと笑みを浮かべて、3人でアニメ鑑賞へと突入した。




