表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒドインに転生してしまったので、何とかしてざまぁ回避しようと思います!  作者: 山吹弓美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

86/114

85.祈りパワーチャージ

「敵結界により反射された雷撃、及び火炎の術にて負傷者多数!」

「現在の結界担当は……こちらか。くっ」


 伝令の兵士さんたちが、慌ただしく行き来する。負傷者多数、ということは私の出番ってことなのでよいしょ、と椅子から立ち上がった。


「向かったほうがいいですよね?」

「よろしくお願いいたします! エイク!」

「はい、案内します!」


 この場所、司令部の主であるガルデスさんに尋ねると、彼はすぐにエイクを名指ししてくれた。私のおつきなんだから当然なんだけど、急いで負傷した兵士たちのいる場所まで連れて行ってくれる。

 大急ぎで戦場から引き離された彼らは、司令部として設えられたテントのすぐそばにある小さな広場に集められている。そこには既にエンジェラ様がおられて、治療にあたっていた。多分、重傷者を先に手当していたんだろう。

 他の人たちは……ああうん、ガラティア様のところで見た怪我人たちよりはまだ軽度だと思う、多分。これなら、私ごときの祈りでも一発だ。


「キャルン様」

「行きます。神様、この方々を癒やすためのお力を、この場に降らせたまえ……」


 ああうん、お祈りの言葉は割と適当である。要は、この力をくれる神様……かもしれない誰かにお願いすればいいのだ。真剣にお祈りすれば、神様っぽい何かはきちんとそれを叶えてくれるんだから。


「おお……!」

「傷が、すっかりふさがった!」

「火傷の痛みが、消えた!」


 ほら。

 きらきら派手に光ったりはしないんだけど、ほんわか淡い光が負傷兵さんたちを覆って、それが消えると傷は治っている。

 術師が行う治癒術とかとは何か違うらしいんだけれど、詳しいことは『のはける』でもはっきり載ってなかった気がする。読む方、アニメ見る方としては、ナンカの力で傷が治りましたってのだけ分かればいいしね。


「これで、また戦えます!」

「我らが聖女に、感謝を!」

「すぐに、戦場に戻ろう!」


 というか元負傷兵各位、テンション高いな。

 いや、確かに傷はふさがったけどさ。すぐに戦場に戻っても多分、いまいち役には立たないぞ? ゲームと違って、怪我を治してヒットポイントが回復しても腹は減ってるだろうし、そもそも流れた血は戻ってないと思うんだ。知らんけど。


「兵の皆様!」


 おたおたしている私をよそに、エンジェラ様が声を張り上げた。何しろ王太子殿下の婚約者、毅然とした態度は特に若い兵士たちには憧れの的らしい。一瞬で、視線が集中したぞ。

 ……『のはける』キャルン、何でこの人に勝とうとした。わけわからん。


「キャルン様のおかげで、皆様の傷は治ったと存じます。ですが体力は消耗していますし、身体の中の血の量は少なくなっております。きちんと食事をとって、体力を回復させてからお戻りくださいませ」


 うむ、そうだそうだ。せっかく戦線を離れてるんだから、エネルギー補給はしっかりしないとね。

 つーか、しばらく負傷兵は運び込まれてないみたいだから、戦線の方はなんとかなってるんだと思う。それなら、この人たちには少しでも万全な状態になってもらって、それから戻ってもらいたいものね。


「我らのことを、そこまでお考えくださるとは!」

「お言いつけには、従います!」

「よろしくお願いいたしますね。上の者が出陣を急かすのであればわたくし、エンジェラ・レフリードと聖女の名を持ち出していただいて構いませんわ」

「はっ!」


 未来の王妃たる威厳をもって、エンジェラ様は元負傷兵たちの動きを統率してみせた。そこへゲルダさんや他の人たちが軽食を持ち込んできたので、私たちはさっさと出ることにする。こちらも、別のところで食事にしよう。お祈りは緊張するし、何というかお腹が空くのだ。魔力って、そういうところから出てくるのかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ