無題0207
ただいま、と家に帰るも返答はない。電燈をつけると無造作に転がる骨牌、雀牌、酒瓶と溜息を一つ。
つけっぱなしのテレビは味気ないニュースを映し、薄く積もった埃は私を嘲笑うか如く宙を舞う…徐に薄茶色の封筒を開けて端金を取り出すと、数回チャリンと鳴って、数枚の紙切れが手に落ちる感触。過酷な労働の報酬としてはあまりにも少ないが、それでも私には必要なものだ。自害を考えたことも何度かあったが、実行に移す勇気もない。…溜息。………溜息。気分転換に窓を開けるも雨の降るを見て閉める。嗚呼、骨牌仲間が我が家に訪れないものか、と思うも今宵は雨天。誰も来る訳もなし。手元に剃刀一つ。命を大事にしろ…というのは家訓であるが、今はそんなことさえどうでもいいように感じた。
処女作故拙いのはお許しください。