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変態魔王とロリコン勇者  作者: 黒木メイ


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7/19

恋人のフリは続行です




思ったより疲れていたのか、目が覚めた時には日が高く昇っていて驚いた。

慌ててアランを探すと窓際のイスに腰掛けていた。丸いテーブルの上には美味しそうな食べ物達が並んでいた。



「お、起きたか。疲れはとれたか?」




「うん。寝過ぎたくらい。…ごめんね。もっと早く起きるつもりだったんだけど。」




「いや。ユエの寝顔眺めれたしよかったよ。」




「ひぇぇぇえ!!え?ぶっさいくだったでしょ?!」




「凄かったよ。」




「え!?」




謙遜で言ってみたんだが…本当にヤバかったのか!?




「凄い…可愛かったぞ。」



アランはこちらに歩いてきてニヤリ、と笑い顔を覗きこんできた。




「なっ!!」




口をパクパクさせてアランを見上げるしかなかった。最近のアランは心臓に悪い。






「さて、一応この街には一ヶ月程いる予定だが。ある程度金を稼いで、武器や食料を集めておかないといけない。後は情報収集だな。金を稼ぐのはギルドに登録して、目立たない程度の働きをしとけばある程度貯まる。情報も手にいれやすいだろう。武器の調達は仕事の都度少しずつ怪しまれないように集めていこう。食料は干物や乾物だけ集めておけば後はギリギリで大丈夫だ。」




「わかった。じゃあ、今日は早速ギルドの登録?」




「ソレは午前中に済ませておいた。今日は武器と防具の調達だな。俺はギルドで動く時用に剣と防具、ユエは杖とローブ。あまり高くないやつな。無駄に高いやつを着けていると目をつけられる。」




「ふむ。ほどほどにて事だね。」




「何事もな。ただでさえ俺らの見た目から目立つだろうから…ここでの設定を活かして他の奴らを近づけないようにしよう。誰も馬に蹴られたくはないだろ。」




「が、がんばる。」




つまり、ギルドでも恋人設定を続行させて他の奴らを近づける隙を与えない。ということですな。

恥ずかしいけれど、アランに害虫が集るのはいただけない。

恋人設定でなければここの年増のようにアプローチをかけてくるやからが集まってくるのが安易に想像できる。許しがたいことだ。








「ねぇ。アルこれはどうかな?」



淡い水色のローブを身体にあてアランに問う。

アランは顎に手をあて、うーんと唸ると隣の淡いピンクのローブを指差した。



「水色も、ユーリには似合うけど、やっぱりこっちのが似合う。ユーリにピッタリだ。この薔薇を模したボタンがポイントだな。」




「わ!!本当だ!!可愛い!!これにする!!」




ユエは頬を染めて興奮したように目を輝かせる。

アランは満足げに頷きローブを持ってレジへと向かった。



その僅かな隙をついて女豹達がユエに足早に近づいた。




「ちょっと、あんたあのいい男の妹?紹介してよ!!」




「ずるいわよ!!私も!!」




「なっ、いきなりなんですか!!それと、お断りします!!私は妹じゃなくて…恋人ですから!!」




「はぁ?あんたが?どう考えても釣り合ってないじゃない!!」




女の遠慮のない言葉が突き刺さり、ユエは顔を真っ赤にさせた。それを羞恥で赤らめたのだと女達は勝手に解釈してさらに嘲笑った。




しかし、ユエの内心は怒りでいっぱいであった。



こやつら、燃やしてしまおうか。消し炭すら残さぬわ。



火の精霊サラマンダーを喚ぼうとした瞬間、ユエの身体は逞しい胸板に引き寄せられた。



その感触に覚えがあるユエは思考が停止した。

その隙にアランは女達に目を向ける。

最初から遠慮なく威圧して。



「俺の大事な人に何か?…俺、邪魔されるの死ぬほど嫌いなんだわ。わかったら、十数える間に…失せろ。わからないんなら…し」




最後まで言う前に女達は耐えきれず、アランから発せられた殺気から逃げるように足を縺れさせながら逃げ出した。




「アル…モテモテ。」




思考が復活したユエはむー、と拗ねて自分の身体に巻き付くアランの腕を数回叩いた。




「ハハ。わりぃ。でも、俺はお前だけだから。それと、ユーリを一人にして悪かったな。好きなもの奢ってやるから食べに行くか?」




「アル…私もアルだけだよ。うん。食べに行こう。」



二人は仲良く手を握りあって人混みの中へと消えていった。遠巻きに二人を見ていた人々は、また彼らを見たとしても決して邪魔をしないようにしようと己に誓ったのだった。




――――そういえば、風の精霊シルフから連絡が全くないが…どうしたのだろうか。




ふと、食事の合間にユエは思いだした。

風の精霊シルフを送り出してから数日がたった。そろそろ、何かしらの連絡があってもいい頃なのだが。

大丈夫だと思いながらも嫌な予感がした。

ソレは次第に大きくなって、しばらく落ち着くことはなかった。


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