転生したと思ったら死亡フラグ
「…ぅ?」
我輩は…先程死んだはずだった。
そう、ついさっきだ。
なのに、今生きている。ついでに言うと…転生したようだ。
空に手を伸ばすようにすると小さな手が見えた。
何ということだ…どうやら、人間として、我輩は生まれ変わったらしい。
それにしてもここはどこだ?
まだ、産まれて間もないようで身体が動かない。
とりあえず、誰か来てくれ~!!
「ふぇーーーー!!」
おお!!泣き始めたら止まらなくなったぞ!!
我輩は魔王として生まれた時から魔王だったからな赤ん坊というのは新鮮だ。
それにしても、誰も来ないのはどういうことだ?
ま、さ、か!?
我輩は捨て子なのか!?
「ば、ぶーーーー!!」
そんな馬鹿なー!!!!人間の赤ん坊がこんな森?らしき所に捨てられるなど死ぬフラグしかないではないか!!転生して、直ぐに死ぬなど…神はいないのか!!!!
おい、そこ!!前世魔王のお前が神などに頼るなとか言わない!!!!我輩は今人間の赤ん坊なのだぞ!?自分ではどうにもできんてはないか!!
ガサッ
「!?ばぶ!!」
おお!!誰か来たぞ!!さぁ、我輩を救ってくれ!!
ほら、見てくれ!!この可愛い無防備な笑顔を!!
我輩は自分では顔が見れぬが我輩が可愛いくないわけがない!!
ほれ!!ほれ!!
視界に…足が見えた。
毛むくじゃらな前足が!!
死亡フラグ来たー!!!!
ヨダレダラダラな狼さんがいらっしゃったぞ!!
おい!!我輩を食べても旨くなんてないぞ!?いや、赤ん坊は旨いと魔物達が話していたが、我輩は食べたことないから知らん!!
知らんからきっと不味い!!不味くて不味くてたまらないはずだぞ!!
「んぎゃーーーー!!」
口を大きく開けた狼さんが近づいてきた。
はい、終了ーーー。
短い一生であった…涙…。
ザシュ
「うるせぇー。人が寝てんのにぎゃんぎゃん泣き叫んでんじゃあねぇよ。」
ぬ。
どこかで聞いた声…閉じていた瞳を開くと…
一瞬で絶命しただろう狼さんと、大きな男の腕。
「チッ。赤ん坊か。こんなところに捨てやがって。人間なんてろくなもんじゃねぇな。」
不機嫌そうに呟き、それでも我輩をその腕で掬い上げてくれた。
覗き込むように男の顔が現れた。
息が止まるかと思った。
こ、この顔は!!
歳はとったようだが精悍なこの顔は…
手を伸ばし男の顔をペタっと叩いた。
「お?なんだ?乳はでねぇぞ?あー、ヤギの乳ならあるが飲むか?」
飲む!!飲むが…今はそれどころではない…
「キャーーー!!」
勇者キター!!!!
「おお!!そうかそうか!!!!よし、ならこんなところ早く出てうちに行くか!!!!」
「あぅ、あぅ、あぅ~!!」
やったぜぃ!!まさかの勇者様に拾われたぜぃ!!
まさか、前世での願いが叶うとは!!!!
願ってみるものだな!!!!
へ、へ、へ~
頬にあたる胸筋にドキドキしながらもスリスリ頬擦りしながら笑みが零れる。
ビバ!!今世!!




