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美容

 自分で己のことをクロワンに出てくる悪役令嬢のレイユであることに気づいてから二年経って現在五歳。

 

「よし、出来たっ!」


 僕はカーテンを締め切った部屋の中でガッツポースを浮かべる。

 何故か?

 それはこの二年間における僕の研究成果がやっと身を結んだからである。


「魔法研究終わりっ!」

 

 魔法。

 それはこの世界に存在する奇跡、異世界的なものの一つであり、僕は三歳の頃よりこの魔法に力を入れていたのだ。

 まず一年目で魔法について大多数を学び、二年目からは自分で魔法を作ることに専念した。

 そして、今。

 ようやくお目当ての魔法を開発することに成功したのである。

 自分が完成にまで漕ぎつけたオリジナルの魔法。


「……ふふふ、日差しはお肌の大敵だからねぇー」


 それは日焼け防止魔法である。

 日焼け止めもないようなこの世界において、この魔法は非常に重要だろう。


「ふんふんふーん」

 

 僕は断罪される未来にある悪役令嬢である。

 だが、だ。

 それはそれとして、せっかく誰もが振り返るような美人へと生まれたのだ。

 であれば、毎日自分の顔面レベルの高さに酔いしれるため、美容に力を入れるのは至極当然であろう。


「何なら、死亡フラグとかどうでもいいから自分の姿だけは美しくありたい」


 自分の体をおかずに出来る。

 毎日最低でも十分はお風呂上がりに自分の全裸を眺めているからね。

 これまた顔だけじゃなくて体も美しいんだよな。

 全身の肌がきれい。ゲーム上の彼女は胸もかなり大きかった。これは成長が楽しみである。


「……うーん。にしても、ここに来るまで時間がかかった。日焼け止め魔法の他にも化粧水や乳液などのこの世界にはない美容液を再現する魔法をいくつも作っていたから色々と時間がかかってしまった」


 まさか一年もかかるとは思っていなかった。

 やっぱり魔法は難しい。


「……次はどんな魔法を開発しようか」

 

 髪をきれいに乾かす魔法とかいいな。

 今、めっちゃ気を使ってやっているけど結構時間かかるんだよなぁ。あれ。時短出来たらよしである。


「うーん、他には何かあるかな?」


 モデルをやっていた自分の姉の行為を思い出しながら美容につながる行為へと僕は頭を張り巡らせる。

 そんなことを考えていたとき、僕の部屋の扉がノックされる。


「んっ?あぁ、はい。どうぞ」


「失礼します……レイユ様」


 僕の言葉を受けて、部屋の扉を開けてメイドが部屋の中へと入ってくる。


「お食事の時間にございます」


「あぁ、もうお昼か。それじゃあ、この後の予定も教えてくれない?」


「はい、この後の用事はございません。いつも通りの自由時間にございます……ですが、お外の方に出られてはどうでしょう?今日は快晴にございますよ?」


「あぁー、そうしようかな」


「……えっ?」


 これまで日焼けしたくなくて外に出ていなかったけど、日焼け止め魔法を作ったあとの今ならありだな。

 僕はそんなことを考えながら椅子から立ち上がるのだった。

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