表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/235

戦いのあと始末


「大変そのーご迷惑をおかけいたしましてその……」

『事故なら仕方がない。私の確認も甘かった』


 配信を切り忘れたことによる、映っちゃいけないものが映る事故。

 まさか自分の身にも起こるとは。


 とにかく平謝りしたが、これは限りなくアウト寄りのファールだろう。


 口では許したとラレースは言っているが、兜のバイザーで表情がわからない。

 あの下にどんな恐ろしい形相が隠れているのかと思うと、心臓がキュッとなる。


 彼女が俺に十字軍(クルセイド)を発動する前に、さっさと仮拠点に帰ろう。

 うん、それがいい。


 くるっと背中を向けると、むんずっと襟首(えりくび)をつかまれた。

 あ、今日のお肉ですか。そうですか。


『待て、黒衣どもの後始末がまだだぞ』

「あ、そうですね」


 良かった。まだ精肉所に発送される時間じゃないらしい。


 そういや、彼女が言う通り、黒衣の男たち、こいつらの死体の始末があったな。

 ささっとやってしまおう。


「どっちがやります?」

(ゆず)り合っても仕方がないだろう。……君がやらないなら私がやろう』


 好感度が下がった音がした気がする。

 いや、すでにマイナスかゼロだから、これ以上さがる心配はないか。


 彼女は体の前で十字を切って表示枠を表示する。

 すると、枠から彼女のアバターがぴょいんっと現れて肩に乗った。


 あれは……マリアか。

 そういえば、ラレース、確か聖墳墓騎士団っていってたっけ?

 たしか加特(カトリック)系でも比較的穏健だったはず。

 

『人の子に逆らう者は許されるが、聖霊に逆らう者はこの世においても来世においても許されることはない。Deus vult』


 前言撤回。

 なんかすげー物騒なこと言ってる。


 俺は大体の儀式を大国主オオクニヌシに任せるが、彼女は自分で執り行うらしい。

 なんかガチ勢って感じがするな。


 彼女が聖句を唱えると、青い炎に包まれて黒衣の遺骸(いがい)は消えた。

 あとは神のみぞ知るってところか。


『終わりだ。あとは人に代わって、神々が彼らを裁く』

「リアルに閻魔大王がいるって、すごい時代になりましたよね―」

『そうだな』


「……」

『……』

「……」

『……』


 やべぇ。会話が続かない。

 女の子と会話するだけでも難易度ウルトラマックスなのよ?


 それに加えて、宗教の差がでかい。

 いったい何が地雷になるか、さっぱり分からん。

 何から切り出したものか――


『すこし話がしたい。どこかモンスターに襲われないで、それでいて探索者にも出会わない、そういった場所はあるか』

「あー、あるにはありますけど……」


 爺部屋に……いや、論外だな。

 この騎士さんと爺が出逢ったらその場で怪獣大決戦が始まってしまう。


 う~~~~ん。

 どっか良い場所は――


 入り口の探索者村……これも論外。絶対大騒ぎになる。

 地上……あそこは話とかする場所じゃない。

 何も起きないことを祈って、隠れて通り抜ける場所だ。


 無いなぁ……どこも、あ!


 良くないな、俺もまだまだ常識で頭が()り固まってる。

 そうだよ「無いなら作れば良い」んだ。


『では、そこで話すとしよう。どこにあるんだ?』

「ドコがいいですかね?」

『ん、あるんじゃないのか?』


 俺はラレースさんを見上げる形で腰に手を当て、彼女に言い(ほこ)って見せた。


「いえ、今から作ろうと思いまして」

「ラレースさん。ツルハシ男の生作業、見ていきませんか?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ