表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/235

喰い付いた!


「よしよし、これで全部終わったかな?」


 俺は配信が終わった後、水底に沈んでいた探索者の弔いをしていた。

 ま~これが出るわ出るわで……。


「カッパのことを可哀想、とか一瞬でも思ったのが間違いだったわ」

『そうじゃのう。いやはや疲れたわい』


「お疲れ大国主オオクニヌシ。……カッパども、流石にこれは殺しすぎでしょ」


 カッパのごみ捨て場所的な所にあった死体の数は……うん。なんていうのかな。

 ぱっと見一瞬で、数えるのを「あ、無理だわ」と理解させる感じだった。


 「こりゃ個別に葬儀してたらなんぼ時間あっても無理じゃわ」って大国主も言うもんだから、ポイントポイントで合同葬を行った。


 一応これでも「神の御前」とやらには戻れるはずなので、大丈夫だ。

 個別で葬儀したのと比べると、得られる神気は減るけどね。


「さて、神気の方はっと……」


 探索者のレベルが10~30とまちまちなので、ちょっと正確なところは不明だ。だけど、表示枠の神気の表示から大体するに……50人くらいは弔ったかな?


「神気が80万とかなってますよセンセイ。毎日白い米が食えそう」


『誰がセンセイじゃ。無料(タダ)働きさせおってからに』


「悪い悪い。でも、どうせ『奉納』するからいいでしょ?」


『ま、それもそうじゃな』


 この「奉納」だが、奉納と言っても、神社にお賽銭を入れたり、お酒を捧げたりといったものとは、ちょっと意味合いが違う。


 この時代の通貨は紙切れのお札やコインではなく「神気」だ。

 アレもコレも、表示枠はもちろん、猫も杓子も神気で動く。


 となるとですよ奥さん。

 あるモノも神気で払うことになるんですねぇ……。



 ――そう、皆が大嫌いな「税金」だ。



 俺たちの時代では、通貨といえば完全に神気に置き換わった。

 だから都市に収める税金も神気で払う。


 だから「奉納」だ。


 なぜ「納税」という言葉を残さなかったのか。

 クソッッ!!


 強制なんだから、もっと邪悪でおぞましい「納税」という言葉を残すべきだ。

 「奉納」では、俺たちが喜んで払ってるみたいじゃないか!!

 チックショーーー!!!


 はぁ……はぁ……。

 ふぅ、つい熱くなった。


 そしてこの奉納。


 たちの悪いことに奉納率《納税率》は、ジョブ、職業のランクに依存する。

 つまり、高ランクのジョブにつくと、それだけで税率が上がる。


 ねぇ、頭おかしいの?

 収入に関わらず上がる税金って何? ファーック!!!


 強いスキルを使おうとしてジョブを上げると、税金も上がる。

 このとんでもシステムのお陰で、おれはずうううううっと採掘師のままだった。


 そりゃそうだ。

 4ヶ月以上も壁を叩くのに、わざわざ上のジョブにする必要がない。

 税金をより多く納める、それ以外の意味がないからな。


 叩き終わった今なら上のジョブを目指しても良いかも知れないが……。


 ――いや、無いな。無い。断じて無い。

 いまのところ、税金上がるデメリットのほうが大きい。


 本当にこの奉納はヤバイからな。

 表示枠から勝手に引き落とされるので、抵抗の術もないし。

 逃れられぬカルマってかんじだ。


 世界が燃え尽くされても税金が残るとか。

 ほんとに悪い冗談だよ。


「はぁ……なんかどっと疲れた。仮拠点で寝よ」

『ほっほ、それが良いの』


 すでにダンジョンの中も少し暗くなってる。

 カッパ退治と溺死者の弔いでだいぶ時間を食ったようだ。


 表示枠を見ると、時間は午後7時。

 寝るにはちょっと早いが、まぁいっか。


「せっかくだし、今日はカレーに……お?」


 なんか怪しい風体の4人組が、俺の目の前に立ちはだかっている。

 黒衣を頭からすっぽりかぶって、明らかに怪しい。

 まさか、強盗か?!


「お、お前がつ、つ、つる、つるはし男、だ、だな」


「ん? どなた?」


「な、なら、食いつけ、なんだ、な――!! 『シャドウサーヴァント』!」


 シュルルっと黒い何かが地面を走り、ビタリと俺の体が動かなくなった。

 ゲッ! なんだこれは――?!


「No.1 よくやった。影にしっかりと喰い付いた」

「う、うん。 く、喰い付いた! 喰い付いたんだな!」


(まさか、こいつらは……俺のスキルのことを知って?)



「さて、ツルハシ男。お前の持っているモノ。それをもらおうか――」



「そのツルハシを!!!」


(……え?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ