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朽ち無しの墓所

「すっごい数来てるうううう!!!」

『これは、とんでもない大軍勢ですね……』

「ハッハッハ! 壮観ですな!」

「笑っとる場合か!!」


 俺が壁を掘り起こしたところから、無数のガイコツが床から生まれ続ける。

 その数と来たら、お昼の飯時の屋台街といい勝負だ。


 スパルトイたちは原始的な装飾の描かれた青銅や木の盾を構え、獲物にはナイフを大型化したような剣と、三角系の穂先の槍を持っていた。


 通路を埋め尽くした骨と骨は身を寄せ合い、盾を連ねて一つの壁を作ると、歩調を合わせてこちらに迫ってくる。もちろん、盾の間からは槍が突き出されていた。


(なるほど、このまま俺たちを圧殺するつもりか)


<ザッザッザッザッザッ!!>


「まさしく骨の壁、ってところか?」

「ならばこちらも!」

『壁で対抗するとしましょう』


「来たりて取れ! 『シェルトロン』!」

『金剛不壊――「ランパート」!』


 レオとラレースは二人して盾を構え、スキルで生み出した光の壁を重ね合わせる。二人が重ね合わせ、二重になった光の壁は、肉眼では直視できないほどに(まぶ)しい。


『「うおりゃああああああ!!!!」』

<スガガガガガンッ!!!>


 二人は光の盾を展開したまま突進すると、強引に体当たりを食らわせる。すると、スパルトイは盾ごと吹き飛ばされ、無数の頭蓋骨が宙を舞った。


 死者の戦列の中央にぽっかりと穴が空く。が、その穴はまたたく間に後からやって来たスパルトイに埋められる。


 まったく……「朽ち無しの墓所」とはよく言ったもんだ。

 完全な無限湧きで、延々と出てくるってワケか。


 俺と同じく後方にいるナナが、ジンさんから渡された炎上ポーションを投げつける。だがそれでも、スパルトイの前進は止まらない。


「キリないね~」

「ツルハシ、全然減らない」


「これじゃ、とても開拓どころじゃ……前衛はいったん時間を稼いでください! 今、なんとかする方法を考えます!」

「承知!」

『はいッ!』


 二人の動きが防御的な動きから、攻撃的なものに切り替わった。ラレースさんは戦鎚を地面に叩きつけ、レオは槍を風車のように回して、骨の戦列を追い返す。


 が、それでも時間稼ぎにしかなっていない。

 骨を潰しても潰しても、同じかそれ以上のスパルトイが補充されてしまう。


 時間を稼いでもらってるうちに何とかする方法を考えよう。

 まずは所持品欄にあるトラップをチェックだ。


 えーと、今の手持ちは、と……。


・毒矢トラップ

・槍トラップ

・丸ノコくん

・ギロチン

・地雷

・溶岩火山

・ダークゾーン

・回転床


 改めてこうして見ると、トラップの数に圧倒されるな。

 我ながら、よくこんだけ集めたもんだ……。


 さて、単純に倒すだけでは復活されてしまう。

 ここはそうだな……「回転床」くん、キミに決めた!


「ラレースさん、ここは『回転床』で敵を追い返します!!」

『はい、スパルトイが湧き出している場所への誘導は任せてください!』


 ラレースは盾と戦鎚のスキルを使ってスパルトイをなぎ倒し、回転床を置くだけのスペースを確保してくれた。


 さすがはラレースだ。ダンジョンでの付き合いが長くなってきたのもあって、俺の指示がなくっても、思ったように動いてくれる。


<ポン!ポン!ポン!>


 俺はスパルトイが大発生している空間を、回転床を使って、コの字で囲むようにした。これならもう来れまい。



「ツルハシ、もうちょっとこう、何とかならなかった~?」

「動きが気持ち悪い」


「緊急避難ということで、ここはひとつ……」


 俺達の目の前で、スパルトイたちがおしくらまんじゅうを続けている。


 俺たち目がけて突進して来るのだが、回転床トラップの効果で、ぐるっと後を向けさせられる度に、お互いの持つ武器や盾をぶつけ合い、砕け散っていた。


 スパルトイにはあまり知能が無いんだろうな。

 骨だけで脳みそがないからとか、そんな感じの理由で。


「しかし、スパルトイたちが急に出てきましたな!」

「ほんと唐突でしたね。通路を掘り起こしたら、その中で湧き始めるとか」


『何か既視感がありますね……スパルトイはダークゾーンのように、何か本体になるブロックか床があるのではないでしょうか?』


「あっ確かに。ダークゾーンも効果エリアが広くて、壁の中にまで効果が及んでいました。これも同じ系統もしれませんね」


「それは大いに有り得ますぞ! そもそもスパルトイは大地にまかれた竜の牙から生まれた戦士でありますからな!』


 レオによると、スパルトイはギリシア神話に出てくる戦士で、地面と深く関係しているらしい。ならブロックに由来して現れている可能性は高いな。


「……レオ、スパルトイの発生するエリアを、俺の地図に書き込んでくれないか? 大体でいいから」


「お安い御用ですぞ! 大体このあたりですな」

<カキカキ>

「ふむふむ。俺が掘り起こした場所は、ちょうどエリアの端だったか――」


 俺は表示枠に出ている地図に指を当て、大体の範囲を推測してみる。

 ひぃ、ふぅ、みぃ……ゲッ!!

 

 レオの書き込みをもとに、スパルトイの発生源に目星をつけてみたが、ダークゾーンと同じ範囲だと仮定すると、発生源は明らかに壁の中にある。


 あの回転床でグシャッてるスパルトイをかき分けながら、ダンジョンの壁を掘り続けないといけないってことかよ!!


 おのれクソたわけダンジョン……。

 なんちゅう面倒くさいことをしよるんじゃ!!


 もうキレた。大人しくするのはここまでだ。

 そっちがそういう事をするなら、こっちにも考えがある!


「ククク……!」

『ツ、ツルハシさん……?』

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