ミッション5.家に帰ろう
「あんなにビッチなこと言っておいて、あなた初めてだったんですか?」
「し、仕方ないじゃない!私最近こっちに引っ越してきたばっかりなの!大学は行ったら沢山遊ぼうって思ってたけど、高校まではずっと勉強漬けだったんだから!」
私が押し倒したお姉さん、名前は暁月静香。暁月さんは初体験だったらしい。まあ、当たり前と言えば当たり前だが私も初めてであり、2人で一緒に卒業した。
あれだけ言っておいて卒業してなかったなんて、完全に予想外だ。とはいえ何か文句があるわけではないのだがな。
「さて、ではそろそろ私は帰りますね。遅くなると家族も心配しますから」
「ああ。うん。ばいばい。……って、待って。連絡先交換しましょう!流石に1回だけの相手なんてひどいと思うわ」
「ひどいって……男なんていくらでもいるでしょうに」
私はあきれた目を向ける。というか、ひどいも何も無いと思うのだが。遊びだと言うから了承したというのに。
それに、静香は顔もスタイルも悪くないので相手なんて沢山いると思う。私にこだわる必要も無いだろう。
「だって、ゆっきーが上手いから仕方ないじゃない。友達は最初の方は痛いだけとか言ってたのに、私あんなになっちゃったし。他の人じゃ満足できないと思うわ」
「……そうですか。ただあなたが弱いだけだと思いますけどね」
そうは言うが、褒められて悪い気はしない。とりあえず連絡先を交換して私は家を出た。ちなみになんだが、静香を押し倒したときに実は緊急ミッションが出ており、それも達成済みである。内容も報酬もそっち系で、報酬のスキルは連戦をするのに役に立ったとだけ書いておこう。
少し話は変わって。帰りなのだが、今回もまた走っている。今度こそ3時間走るを達成しようと思ってな。まだ3時間かけて走っても遅い時間にはならないので、問題ないと思われる。ランニングは帰ったときのシャワーを浴びる良い言い訳にもなると思うしな。
「……ふぅふぅふぅ!」
そして3時間後。今回は特にトラブルに遭遇することなく帰ってきた。そして、
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デイリーミッション
達成済み
・3時間走り続ける
報酬:スキル『追い風1』
・3時間眠る
報酬:スキル『持続体力回復2』
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無事ミッションも達成。報酬に関しては、魔力や魔法系とも合わせて検証しないとな。どこでやるか迷うが、明日にでも公園に行ってみようと思う。
「ただいま」
帰ってきた俺はまっすぐに風呂場へと向かう。そして、シャワーを浴びて出たのだが、
「……未春?」
「あっ。お兄ちゃんお帰り」
シャワーから出ると未春がいた。洗濯をしようと洗濯機の中に入れておいた服を掴んで、顔につけている。へ、変態だ。
……まあ、いつものことなんだがな。こういう変態的行動も、一般的な兄妹はしてるんだよな?未春はそう言ってたし、正しいんだよな?
「そろそろやめてくれ。洗濯するから」
「ちょっと待って。まだ終わってない」
そう言って今度取るのは私の下着。そっちも嗅ぐつもりらしい。とやかく言うつもりはないが、流石に本人の前でそれをされると恥ずかしいのだが。
なんて思っていたら、
「ねぇ。お兄ちゃん。女の人と会った?」
「ん?どういうことだ?」
いきなり核心を突いてきた!私の下着の匂いを嗅ぐことでそんなことまで分かるのか!?未春、我が妹ながら末恐ろしいな。警察犬の代わりになれるかもしれないぞ。
「街に行ったし、ある程度女の人と会うとは思うが」
「……ふぅ~ん。そっか」
あぁ~。これは完全に理解されてしまったな。
未春は感情の抜け落ちた瞳を俺に向けながら詰め寄ってきて、
「ねえお兄ちゃん。今日会った女の名前、教えてくれる?」
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緊急ミッション
・妹を落ち着かせる
報酬:スキル『精神統一1』『精神魔法1』
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デイリーミッションは、諦めたら静香と仲良くなれた。だが、この緊急ミッションは諦めたらマズいんだろうな。結果が出るように、せいぜい努力するとしよう。
「デイリーミッションを諦めたら美女と仲良く(意味深)なった」《完》
この作品は一旦ここで終了です!
この作品の他にも同じような短さの作品を投稿しているので、作者のページから「長編化予備群」のシリーズを覗いて頂ければ!!
人気があった作品は長編化します。勿論この作品も……チラチラッ(ブックマークや☆をつけて頂ければ、続きが書かれるかも……
すでに
異世界転移したら無能だと追放されたので盗賊を始めようと思います ~あれ?僕って盗賊だよね?(皇女とキス中)~
が投稿誌済み。また1時間後から、
捨てられ負けヒロインを拾いました ~僕がもらっても今更文句はないよね?~
を投稿予定です。こちらも宜しくお願いします。