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ミッション3.デイリーを諦めてみよう

「ふっ!ふっ!ふっ!……終わり!」


俺はベットに倒れ込む。だが、昨日のように寝たりはしない。疲れ具合で言えば昨日の方が断然大きかったからな。なぜなら、


「反復横跳び、500回だからな」


――――――――――――――――――――

デイリーミッション


達成済み

・反復横跳びを500回行う

 報酬:スキル『分身1』


・10種類の植物に触れる

 報酬:スキル『植物鑑定1』

――――――――――――――――――――


ジャンプ10000回よりはマシだった。息を整えた俺は、早速報酬の確認を行おうと立ち上がる。


「分身」


どうすれば発動するのかと、俺がスキルの名前を呟いた瞬間だった。俺の目の前の一部が揺らいで、


「やぁ」


1人の男が現れた。私と全く同じ見た目の。


「ふむ。分身はこういう効果なのか」


「そうだな。名前の通り、自分の分身を生み出せるぞ。性格はほぼ同じだが、発動者に不利益がないようになっている」


「そうか。そこはしっかりと調整されているんだな」


俺が本物だ!なんて言い出す展開にはならないらしい。そういう配慮がされているなら、使いどころがありそうだ。

……学校をサボりたいときとか。

と、そんな風にミッションを達成しながら春休みの数日を過ごした。デイリーミッションをやったり、妹にセクハラされたり、料理をしたり、妹にセクハラされたり、ミッションをしたり、妹にセクハラをされたり、掃除をしたり妹にセクハラを……あれ?妹のセクハラ多くないか?

……い、いや。そんなことは無いだろ。これは世間一般の兄妹の関わり方なはずだ。な?そうだろ?そうだと言ってくれ……。


「……お兄ちゃん。ちょっとだけ。先っぽだけだから」


「ちょっ!未春!?やめっ…………あ゛ぁぁ、そこはっ//」


なんてことがありつつ時間は過ぎて。本日は入学衰期まであと3日と言ったところ。時間が流れるのは早いなぁ(遠い目


「未春。今日は街に行って色々見てこようと思う」


「ああ。そうなの?行ってらっしゃい」


未春はいつものごとく寝るらしい。私に影響はないから良いんだけどな。

と言うことで早速私は外に出る。今回私が街に出るのにも理由があって、


――――――――――――――――――――

デイリーミッション


・3時間走り続ける

 報酬:スキル『追い風1』


達成済み

・3時間眠る

 報酬:スキル『持続体力回復2』

――――――――――――――――――――


まだ達成されていないデイリーミッションを達成するためだ。下の達成されてる方は、朝起きたらすでに達成されていた。つまり私がやるべきなのは上だけなのだが、これがまた難しい。

似たようなミッションを数日前にもやったことがあるんだが、3時間走り続けるというのは相当きつい。体力的な面でもそうなのだが、1番疲れるの精神面だ。公園などで走ると、同じ景色が続いて滅入ってしまう。そこで、街まで走って行ってみようという考えになったのだ。

幸いな事に達成済みのミッションの方で体力が回復するスキルが強化されたようなので、体力的な心配はしなくて良いだろう。

……さぁ。出発だ!


「……ふぅふぅふぅ。30分!」


30分経過。息は荒いが、まだまだ余裕がある。少し前まではこんなこと無理だったが、これは確実にミッションの報酬のお陰だろう。それから1時間、1時間半、2時間と走って行ったのだが。

2時間45分ほど走ったところで、


「……てよ!」


「いいじゃねぇか。遊ぼうぜぇ」


「離して!」


言い争う声が聞こえてきた。路地裏っぽいところからで、何かよろしくないことが行われそうな気がする。

ここで私がとることの出来る選択肢は2つ。1つは放置してミッションのクリアを優先すること。もう1つは、ミッションを諦めて助けに向かうこと。

声の人数から考えて前までの私なら助けに行っても意味は無かっただろうが、今は報酬の力があるからどうにか出来る。私はその場でもも上げをしながら考えて、


「……助けるか」


ミッションを放棄することを選んだ。たかがデイリーミッション1つのために、他の人を犠牲にするなんて出来ない。

ただ、今まで私が走ってきたことが無駄になるわけだから、非情に。ひじょぉぉぉぉに歯がゆい思いだがな。私はムダな努力が嫌いなんだぞ。

私はふてくされながら路地裏に入る。中では、1人の女の人が数人の男性に囲まれていた。綺麗な音あの人だな。チャンスがあったら囲んでみたくなるのも分かるぞ。


「お困りですか?」


「あぁ?」


私はとりあえず敬語で話しかけてみる。男の人たちには睨まれたが、私はそれを無視して女性の方に目を向けた。その人が何かを言っていることを期待していたのだが、その前に、


「ガキが邪魔してんじゃねぇよ!」

「金を置いてさっさと消えろ。そしたら痛い目合わずに済むぞ」

「俺たちは仲良くしてるんだよ!」


男性陣の数名に囲まれてしまった。金を置いて去って欲しいようだ。


「と言ってるけど、お姉さんは困ってないですか?」


私は男の人たちの話は無視して、女性へ話しかける。少し悩む素振りを見せたが、すがるような声と顔で、


「ごめん。困ってるから助けてくれない?」

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