We shut ourself in the dark room to kiss
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【ノクターンノベルズ】の「Candle in the Dark 【darkness】」に完全な形で掲載しておりますので、そちらをご覧ください。
大貴族の所有する由緒ある建物。そのとある一室、壁を本棚に囲まれた書斎で私は血を吸われていた。
巨大なガラス窓の近くに置かれたマホガニー材の椅子にはリズが腰かけ、私は彼女に抱かれるようにして座っている。ガラス窓から月の光が部屋の闇を斜めに切り、私たちを照らし続けていた。
牙が首筋に突き刺さってから、もうどれくらいだろう。
「んっ」
少しだけ意識が掠れる。油断した私の足が、リズのひざ元から落ちそうになった。リズは私の首筋に顔をうずめながらも異変を感じ取り、落ちそうになった足をそっと支え、体を引き寄せてくれた。牙が抜かれ、髪を整えたリズがうっすらと目を開けた。
「すみません……飲みすぎてしまったようです」
月光に光るマリンブルーの瞳が、詫びるような輝きを帯びていた。
「別に、ちょっとぼうっとなっただけ。さ、もういいでしょ?」
リズの返答を待たずハンカチで首筋を拭うと、牙の痕を隠すためにチョーカーを巻く。きつく締めすぎて、首元が鋭い錐に突き刺されたような痛みが走った。
今夜はある大貴族の開催する慈善パーティーに家族ともども招待された。友人を紹介する良い機会というお母さんの勧めでリズも連れてきたのだが、まさか急に血が欲しいと言い出すとは。城へ帰るまで我慢するように伝えたが、落ち着きなくモジモジし始め、無言の訴えを帯びた視線に耐えきれなくなった。
御呼ばれしたパーティー用の白いドレスはいつもの特注品と違い、腕を出すことが難儀な代物。仕方なく首から血を飲むことを許可した。腰かけていたリズのひざ元から降りようとし、床に視線を落とすとリズの影が迫っているのが見えた。
「コゼットちゃ――」
「やめて」
近づく唇を、指で制す。
「気分じゃないの。やめて」
私の警告は意味をなさなかった。白く細い指先が巻き付くように這ってきて、手首を掴まれる。
「いやです」
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「お終いよ。さあ、行きましょう」
ハンカチで指をぬぐい、それをリズにも手渡す。彼女の返答を待たず、私は部屋を後にした。




