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きえない
歩道橋の延長線上に
たぶんあの日のきみがいる
あかねさす
きみの横顔に
なぜだか
透明になった感じがあって
きえてしまうんじゃないかと
不安なのですよ
未来のことを
取り消すのは簡単で
昨日のことを
見て見ぬ振りをするのは
まぁまぁ簡単で
それでも
きみといっしょにいる未来を
いた昨日を
消しゴムで消したり
教科書で隠したりするのは
いやなのだよ……
あたしと
きみを
緩い糸でつなぐのは
きっとあの日の高架下
昨日と
今日を
遠いように想うのは
きっときみが微笑むせい
きみがあたしを泣かせるせい