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旗
澄み切った空は、インスタントコーヒーの味がした。甘くはないが苦すぎもしない。それだけ無意味な空なんだと、気づいた。
夏、輝いていたよ。冷えて閉じきったいまは、どうしても素敵に見えないのだ。暗い世界――それが嫌で嫌で、でもそんな未来しか描けない、この日々を讃えて。
過ぎ去る季節の中で、感情の昂りに慣れきって、もうさよならなんだぜ。あたし、地平線の向こうに消えていくから。捕まえるのならその右手で。追いかけるのなら旗を振って。
澄み切った空は、インスタントコーヒーの味がした。甘くはないが苦すぎもしない。それだけ無意味な空なんだと、気づいた。
夏、輝いていたよ。冷えて閉じきったいまは、どうしても素敵に見えないのだ。暗い世界――それが嫌で嫌で、でもそんな未来しか描けない、この日々を讃えて。
過ぎ去る季節の中で、感情の昂りに慣れきって、もうさよならなんだぜ。あたし、地平線の向こうに消えていくから。捕まえるのならその右手で。追いかけるのなら旗を振って。
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