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詩集「カンテリアン」  作者: 維酉
アルルと空
26/36

紙飛行機をともに折って

あの地平線に向かって投げた

ぶさいくな滑空だった

きみのほうが遠くへ飛んだ


空から墜ちて

原っぱに突き刺さった

白い紙飛行機


ていねいに折るとか

遠くへ飛ばすとか

いまとなっては

くだらない感情だった

そんなこと、いえるわけがないよ


冷えた夜空に缶ビール

あの夏はもうすこし

空がきれいに見えてた気がする

くやしくもあるさ

街の角で

ちょっとさみしく生きている


ほんとうとうその

区別がついてなくたって

賢く生きてなくたって

なにも変わりそうにないよ

地平線はいまも遠く

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