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空
紙飛行機をともに折って
あの地平線に向かって投げた
ぶさいくな滑空だった
きみのほうが遠くへ飛んだ
空から墜ちて
原っぱに突き刺さった
白い紙飛行機
ていねいに折るとか
遠くへ飛ばすとか
いまとなっては
くだらない感情だった
そんなこと、いえるわけがないよ
冷えた夜空に缶ビール
あの夏はもうすこし
空がきれいに見えてた気がする
くやしくもあるさ
街の角で
ちょっとさみしく生きている
ほんとうとうその
区別がついてなくたって
賢く生きてなくたって
なにも変わりそうにないよ
地平線はいまも遠く




