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変わる
きみさえよけりゃあ
秋の夜空で逃避行だね
ティンカーベルになったつもりで
夜風鋭いあの空を
駆け回るように生きるんだよ
最高のハッピーエンドを迎えたいんだ
しあわせの形はよく見えないけれど
バスのなかで見る夕陽みたいなもんだと
勝手に思ってるんだ
途轍もない
旅路のように見えるね
これから生きていく未来が
岩肌がむき出しの
高山なのかもしれないし
でも できるんなら
きみとフラットな街で生きたいさ
そういうしあわせも
ある気がするんだ
人は
不定形ないきものだから
ありさまはきっと変わる
完全なようでいて
常に不完全ないきものだから
よりどころはきっと転がっていく
さよなら
さよなら……
また会えるといいね
数年後に
どこかが変わったあたしと
また出会ってほしいよ
丸くなったかトガったか
見てほしいよ
駆けずり回った夜空は
もう庭みたいなもんだね
いま決めたよ
あの星で また会おうよ