こいつ何者・・。
【店内喫煙席にて-愛・祐・光】
愛:「まぁ。お茶でどうぞ。」
光:「あ、有難うございます・・。」(いくとこないから結局来ちゃった・・。どうしよう。)
愛:「祐司、ここは喫煙席だから煙草吸ってもいいよ。」
祐司:「すまん。助かる。〔煙草を吸い始める〕」
光:(あの人、祐司さんっていうんだ・・。やっぱり少し怖いな。)
愛:「楠くん。さっき見て貰った通り、祐司はキレるとうるさいしおっかない。私よりも扱いに困るから気をつけて。」
光:「あ、はい・・。」
祐司:「ちっ。さっきはこいつが出てこねぇから。」
光:「ご、ごご、ごめんなさいぃぃ!!」
愛:「楠くん怯えてるから祐司はとりあえず向こうの席で黙って座ってて。」
祐司:「ハーイ。〔少し離れた席に座る〕」
光:(意外に素直・・?)
愛:「楠くん。さっきは私もごめんなさい。あまりに出てこなかったからつい・・。反省してます。以後気をつけます。」
光:(あれ、この人も意外に怖くない・・?)
愛:「でも『怖い』は無いんじゃないかなぁ??んん??」
光:(そうでもなかったぁ!?この人もやっぱ怖い!!)
愛:「もう・・。純粋無垢な乙女に向かって怖いは無いんじゃない?」
光:「え、あ、はい。す、すみません・・。」
祐司:(純粋無垢?乙女?)
愛:「本題に入るけど・・。働く気はn・・」
光:「ありません。」
愛:「即答!?」
ズズッ〔光がお茶を飲む〕
愛:「えー・・。」
光:「用が済んだなら帰ります。〔立ち上がる〕」
愛:「ちょちょちょ、待って待って!え~と、あ!お菓子あげるから!ね?」
光:(小学生かっ!)〔とりあえず座る〕
愛:「ふぅ。えーっと、君の事は調べさせて貰ったよー。君の生い立ちから恥ずかしい過去までぜーんぶ♪これを大声で音読されたくなければここに座って話しを聞け。」
光:(今度は脅し!?)「・・・そ、そんなハッタリに応じるとでも?」
愛:〔手帳を出す〕「楠 光6月28日生まれ蟹座。中学・高校共にエスカレーター式の名門、私立東堂高校に入学するも高校で中退。」
光:「え、ちょ・・。」
愛:「父親は敏腕弁護しとして有名、母親は元公務員。」
光:(待ってこの人何者!?〔祐司に助けてと視線を送る〕)
祐司(こいつマジなんなんだよ!?〔顔に出てる〕)
光:(お前も知らんのかい!!)
愛:「学校生活は・・。あー・・。この先言っちゃう?〔ニヤリ〕」
光:「な!なんなんですかさっきから!!いきなり部屋に押しかけて!ドアベルはしつこく鳴らすし、ドア越しに呪いの如く開けろと脅すし、ドア蹴るし、怒鳴るし、ここにつれて来て働けとか。挙句僕の事を何でも知ってるかのようにペラペラと個人情報を!」
愛:「待ってドア蹴って怒鳴ったの私じゃない。」
光:「うるさい!僕の事何も知らない癖に知った風な口聞くな!」
愛:「一応調べたから知ってるー。」
光:「そんなの上辺だけの情報じゃん。僕に何があったか理解できても僕自身は理解できてないんでしょ。どうせ理解出来た風を装って僕をいい感じに丸めこんで働かせ、僕みたいな孤独なクソニートを救って『社会のお掃除をした私っていい人』感を味わいたいだけなんでしょ。そういうのいらないんだよ!善人ぶって・・。そんなのただの自己満じゃん!お前の自己満に僕を利用しないで!」
愛:「えー・・。私は君を利用しようとか思ってない。自己満とか興味無いし。」
光:「そんなの本当かどうか分からない。お前の言うことなんか信じられるわけ無いだろ。」
愛:「それにもし善人ぶりたいならあんなにしつこくドアベル鳴らさないし近所迷惑もしない。何故なら・・・。それは『善』ではないから!!」
祐司:(おいおい。そんな小学生みたいな説得で納得するわけ・・。)
光:「・・・・。た、確かに・・・!」
祐司:(こいつマジで馬鹿かよ!!)
光:「でも・・。そう簡単には信じられない。」
祐司:(だよな!びっくりしたぁ・・。)
愛:「何故?」
光:「・・・。僕の事を調べたなら知ってるだろ!」