火炙りの魔女 共通①
私は最近女子中学校を卒業して、祖父の学園に入学したばかり。
男子生徒もいて慣れないけれど、きっとドキドキの学園ライフが待っているのだと信じている。
理事長はいらっしゃるだろうか。
「コラ、勝手に理事長室に入ったらダメだろう」
室内にいた先生が言う。
「かまわんよ」
理事長はニコニコしている。
「おじいさま~!」
名門校の理事長は私の祖父です。
私は生まれながらにお嬢様である。
やはり不良、先生、執事等の禁断の恋に憧れている。
先生はとても大人の魅力が――――。
しかし不良も捨てがたい。
執事は―――かといってうちに若い独身の幼馴染みの執事はいない。
そうだ新しい執事を雇ってもらおう。
―――気をまぎらわせたい。
以前開いてはいけないと、言われていた大叔父屋敷の扉。
そこで見つけた幾つもの資料。
初めは物語でも書いているんだと、考えていた。
それを見つけた一ヶ月後、突然このファイス学園に通うことになった。
屋敷の大叔父のあの部屋と似た作りの扉、こっそり開いた。
口にするのを憚れるほど想像を絶する光景。
「見たんだね」
一代で富を築いた大叔父のことは尊敬している。
「ならおまえは、ただ黙っていてくれるだけでいいんだ」
だけど、私と同い年くらいの人達で実験をするなんて、許せなかった。
だから今まで救えなかった人達をなんとか助けたい。