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針地獄の塔 共通①
「梁南、転勤することになった」
「転勤？学校はどうするのよ」
父の転勤は初めてで不安だ。
友達とも別れてしまうことになるのだから。
「聖ハロイナ学院は知っているな？」
「ルミナ学園と並ぶ名門校でしょ？」
「明後日からそこに通うんだ」
どうせならルミナがよかったなんて言ったら怒られるかも。
「ここがハロイナ学院か～」
ホームページで見ただけだがルミナとは作りが微妙に違う。
同じように金がかかっていても趣味の違いが現れている。
「待っていましたよ」
「貴方は？」
まあハロイナの制服だから生徒か。
「生徒会副会長の稲菱です」
「あれ…神父サマとかマザーとかシスターとかは？」
「たまに来ますよ…今日はいらっしゃいませんが」
さっきから向こうを見て目をあわせてくれない。
嫌われてるのか、感じ悪いなあ。
この人とは仲良くなれそうにない。
というよりお上品な気風が会わない。
学生らしい軽いノリならよかったが、育ちのいいのが通ってるなら仕方ない。
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私は今、幼馴染みの２人と登校している。父に言われて転入したのがたまたま同じ学校だったのだ。
普通の家庭で育った私達３人は近くにあるという理由、価格が普通の学園とそんなに差がないという理由かららしい。
二人は超名門校を受験し、見事に合格した。
「漫画に出てくる金持ちって性格悪いけど現実って逆よね～」
お金持ちには成金タイプと生まれながらのボンボンの二種類がいる。
主人公をイビる金持ちのほとんどは漫画は前者、昼ドラは後者だろう。
「フン…極論だな、性格の悪くない奴がいたら知りたいくらいだぜ」
「僕は性格の悪いに貴賤は関係ないと思うけどなあ!」
