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愛queen 共通①


「はー」


―――私はこのまま普通の学校で普通のOLになってつまらない人生を送るんだと思う。


「名門ルミナ学園かあ、行きたいなあ…」

お金持ちばかりが通う私立学園、少女漫画みたいで憧れちゃう。

そこに通えたら、私もきっと主人公のような甘い恋ができちゃうんじゃないか、そんな妄想をしてしまう。


「おまえIQが高い赤ちゃんってことでテレビにも出た事があったよな」


現代の科学ではIQよりすごい単位が出たという。

そして私がその単位で表される程の存在だったとは、この時は知らなかった。


「やっぱお前すげーな」

「そんなことないよ」

「そうそういいなーテレビ」

「どうせ出るなら今がいいよ…生まれたばかりの頃なんて覚えてないし」

「贅沢だなー」


「君、IQが高いというのは本当かい?よかったらファイス学園に……」


私は突然現れた謎のチャラいイケメンに、勧誘される。


私は逃げた。


ある学園の一室、教師達が学園の未来についての会話をしていた。


「唐志那先生、彼等の能力を我々の領域まで高めるにはどうしたらいいかね?」

学園の創立者にして大財閥の当主は、教師達に尋ねる。


「知能が普通レベルの者をクラスに入れてみてはいかがですか?」

一人の若き教師が、提案する。

他の教師達は隣にいる者と話始める。


「さすがにそりゃねぇよ」

無精髭に粗野な教師は嘲笑う。


「その発想はなかったよさすがだね…」

一番の権限を持つ学園長がことのほか良い答えを出し、意見は可決された。


「そうだ、手頃そうな人間を身繕いたまえ」

学園長が提案した若き教師に普通の生徒を連れてくるよう指示する。


「かしこまりました」

ニヤリと口角をあげ、粗野な教師を見る。

「調子に乗りやがって」

粗野な教師は苛立ち、悔しそうに舌打ちをした。

―――

校門から出て帰る途中、不思議な男性の姿が視界に入る。

長い髪を白い紐で後ろに結っていて

まるで平安貴族のように今時珍しい髪型の人。


「お嬢さん、ルミナ学園に入りませんか?」

すれ違い様に、話しかけられた。


「え!?」

まさか声をかけられるなんて、まったく考えていなかった私は、ただ驚くしかなかった。


「私はルミナ学園の教師をしている唐志那(からしな)です」

「はあ…随分若いんですね」

年齢的に新人、のようだけどなんとなく雰囲気はそれなりにある感じがした。


「ルミナ学園は名のある名門校、と自負しています。そこに通って頂きたいのです」

「え!?通いたいのは山々ですけどお金…」「無料で」

「タダ!?詐欺にきまってます」

私は逃げようと踵を返した。


「待ってください!」

「警察呼びますよ!」

腕を掴んで引き留められる。


「どうしたら信じてもらえますか?」

「そんなこと言われても…じゃあ…特大パフェ奢ってくれたら…」

丁度お腹もすいてるし。


「…フランス料理じゃなくていいんですか?」

「そんな“安い”みたいな目でみないでください!」

庶民にそんな発想がすぐに浮かぶわけない。


「イタリアンでもいいんですよ?経費で落ちますから」

ルミナ学園すごいなあ。

でもまだ信用はできない。

本当にお金持ち学校の人か、闇の仕事かわかってないんだから。


怪しいイケメン教師(仮)に出会って五分後、パフェを食べながらケーキでスプーンを休めてメロンソーダとココアで体温調節をしていた。


「私をどこに連れていきたいのか知りませんけど…」

「学園です如何わしい店なんて連れていきませんよ」

優雅にコーヒーを飲んでいる。

そのわりに独特の苦そうな臭いがしない。


「それ、コーヒーですよね?」

「コーラです」

もう何も言うまい。


「経費ってどこから出るんですか?」

「ポケットマネーです」

「ごちそうさまです」

「学園長のなんですけどね」


学費タダに釣られて、そこに転校した。

―――しかし、すぐに私は後悔することになる。



「うわぁ…」

外装も内装も普通クラスより豪華。

スカートが長くてまるでお姫様になったみたいにお洒落な制服。


「らんらんらーん」

誰も見ていないので無意識にスキップをした。


中学生の時からずっと入りたいと思っていた所に入学することができた。

普通クラスでもよかったのに、特別クラスに選ばれるなんて、夢みたい。


そういえば私の幼馴染みの仁江川(にえかわ)司灰(しはい)さんがこの学校の先生をやっていた。

私が学園に入れて喜んでくれたのに特別クラスだって言ったらあんまり良い反応をしてくれなかったけど。


「君が雀李(さくり)ちゃんか~オレはファイセ、見ての通り英語担当の教師だよ」

なんだか距離が近い。


「よっ…よろしくおねがいします…」

初対面の相手はやっぱり緊張してしまう。


「あの…手から炎が出てるんですけど」

ファイセ先生は慌てて炎を消した。


「あ!?ああ…これはね…」

特殊なバーチャル加工がされており、まるでアニメのようなそれをリアルな異能力を体験を出来る。と言われ不振には思わなかった。


「これをあげるよ…皆と同じようにフィールドで使えるんだ」

私の貰った力は地味にも寄せ付けず攻撃を跳ね返す力であった。

どうせバーチャルなら無効化とか能力吸収とか最強チートがよかったなと少し落ち込む。

だが格闘ゲーム好きの私にとっては願ってもないほどラッキーだ。

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