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8月29日~1stday~ 帰宅Ⅱ

皆さん、こんにちは!

2話目掲載が少し遅くなりました…<(_ _*)>

3話目は早めに掲載したいと思っています

「完全に酔った……。」


今更ながらこの俺、萩間はぎま 奏音かなとは、自身の愚行に対してこの上ない憤りを覚えていた。

今回長距離を移動する上で何か乗り物に乗らないとここまで来るのは難しいと思い至り、約三日ほど俺は自転車で移動していた。

勿論ノンストップで、だ。

俺は今日中にここ符月菜村へと着きたかったのだが、途中少しばかりトラブルに巻き込まれてしまい自転車を全損させてしまった。

愛車をなくし路頭に迷った俺は高速道路のど真ん中で立ち往生する羽目になり、しばらく徒歩で移動していた訳だが。

――そんな時に、俺は見つけてしまったのだ。

時間短縮にこれ以上ないほど適した乗り物、電車を。

ただ、俺は乗り物が全く全然ダメだった。俗にいう乗り物酔いを起こすタイプの人間だ。

だが目先の欲望に負け、背に腹は変えられないと理由付けをした俺はついに、その電車に乗ってしまった。

事実覚悟はしていた、覚悟あっての乗車だったのだが……。


「田舎の私鉄があんなにも揺れるだなんて知らなかった……。」


今俺は人生史上最大の後悔をしている。

まぁ、途中までは良かったのだ。

――ただ。携帯電話の画面を見て具合が悪くなり、外の景色に見惚れて酔いそうになり、そこからすぐに急停止ときたものだ。

正直吐き気を抑えろという方が無理だろう。

こうして俺は今命懸けで駅前にあったコンビニに立ち寄り、水を購入した訳なのだが。

(近くに休める場所はあっただろうか……)

そう思い辺りを見渡すが、駅前だというのにあるのは線路に、森に、山だ。

俺が今いる駐車場、その手前にあるベンチらしきものが唯一休めそうな場所だと言える。

――だが、誠に残念なことにそこには先客がいた。


「これは、凄いな……。」


そのベンチと思われる場所の周辺はなんと、大量の"モフモフ"で埋め尽くされていた。

何を言っているのかわからないと思われるかもしれないが、今俺の視界にある"それ"を説明しろと言われたら、おそらく誰であろうと"モフモフ"と答えていただろう。

(これは……猫、か?)

少し離れたところから見ていたためか、謎の白や、黄色や、黒い"モフモフ"が生き物だと気付くのに少しばかり時間を要した。

(あんなところに集まって一体何をしているんだろうか)

気付くと俺は休むという目的も忘れてその場にしゃがみこみ、ただひたすらにモフモフした生き物達の観察に熱中していた。

観察していてわかったのだが、あれはどうやら猫ではなくアカギツネという、この村に古くから住み着いているキツネで、この国で最も一般的ポピュラーなキツネなのだが……今では大分数も減り、すっかり見なくなった。

(と、思っていたんだけどな……)

どうやらこの村、符月菜村にはキツネは"豊作の神"、厄災から村を守る、などと古くから言い伝えられており、年に一度村の中央に位置する符月菜大社ふづきなおおやしろから7日の時間をかけて北の大山、緋ヶ狐山ひがこざん中腹にある符月本社ふづきのほんやしろへと神輿みこしを届け豊作の感謝を伝えるというこの村独特の行事、月狐大収穫祭げっこだいしゅうかくさいがあることから、キツネが沢山いることで有名だと俺は昔誰かから聞かされた覚えがある。

それにしても、そのキツネの集団の中に珍しい色が二つ、俺はそれにとても興味を惹かれた。

片方は黒のキツネで、もう片方が白いキツネだ。

俺の方から見るとその黒狐と白狐を中心に、他のキツネが集まっているように見える。

とても、不思議なものを見ているかのようだ。

まるで頭のいいキツネが集まって、会議でも開いているかのような光景だった。

もしほんとうにそうなのだとしたなら奇々怪々極まりないだろう。

そんなどうでもいいことを考えながら俺はその場で一息つくと、乗り物酔いが収まっていることを確認して立ち上がり、沢山のキツネがいるその駅前からゆっくりと、離れるように歩きだした――。

今作の舞台となる符月菜村とはどんなところなのか、というのが今回の話のテーマになります。

うまく話を作れたかわかりませんが、これからも頑張っていきます!

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