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Red Moon  作者: リョウ
9/11

真実を追う

 ピロピロ……。

 静寂な部屋を突如襲う携帯の着信音。

 ディスプレイに浮かぶ文字は""恋先輩"。


「ん? どうしたんだ?」


 疑問を口に出しながらメッセージボックスを開く。

『今日はありがとう!笑 ホントっ楽しかった! また機会があったら遊ぼうね!! おやすみなさい、また明日研究室でね!』

 突然のメールに嬉しくてついついニヤけてしまう。

 返信を押し、文字を打ち始める。



「おはよー!」


 はつらつとした声が昨日半日一緒にいた恋先輩から掛けられる。


「おはようございます!」


 右手に潤へのお土産を提げている緑。

 それを見た恋先輩は私も、と言わんばかりに隣りに並んだ。


「はい、お土産」


「ありがとねー、潤くん! 楽しかったよー」


 お礼を言いつつお土産を渡した。


「すっかり夫婦みたいになってんな。マンションとかで隣りに引越してきましたーみたいなノリだぞ」


 皮肉げに言う潤だったがお土産に対しては喜んでいるようだ。

 それに対して聞く耳持たず2人は自席に着いた。


 次々と研究室に入ってくる仲間たち。皆それぞれ真剣な眼差しで研究に取り組んでいる。

 ピロピロ…。研究室の真剣な空気とは相反する抜けた音が鳴り響いた。


「すいません」


 研究仲間に一言断りを入れてから部屋を出て緑は電話に応えた。


「もしもし」


「あっ、緑!」


 この聞き覚えのあるハスキーボイスは同じ学校で同級生の松本良夫(まつもとよしお)だ。


「松本くん、どうしたの?」


「至急、学校(こっち)に戻ってこれるか?」


「えっ?」


 何がなんだかわからず抜けた声を上げる。


「美ノ上が消えた」


 通話時間は一秒一秒加算されていく。しかし、2人の時間は止まっているかのように無言が続いた。


「野々宮さん。用ができたので少し抜けてもよろしいですか?」


 緑は室長である野々宮さんに真摯な眼差しを向け告げた。

 その真剣な様子にただならぬ何かを感じた野々宮さんはすんなりそれを許可した。

 それに対し緑は頭を下げた。

 疾風の如く研究室を飛び出し緑は学校の化学室へと向かった。



「ん…、はぁ、はぁ……はぁ」


 大きく息を取り乱している緑は学校の化学室の壁にもたれるように手をつけた。


「緑! 来てくれたんだ」


 嬉しそうな様子を見せる松本は紙切れを渡しながらそう言ってみせた。


「紙?」


 それを受け取り呟きながら折ってある紙を広げた。


『私は君たちを侮っていた。だが、これをゲームだと思えば楽しくなってきたよ。だから私のこの計画を阻止してみるといいよ。ヒントとして、化学室の右から3つ目の棚の左から2つ目の引き出しに入ってる』


 なんだよ…。と緑は心の中で呟いた。

「これがその引き出しに入ってたもの」


 褐色ビンに中に何か物体が入っていた。そのビンの底にはラベルが貼ってあり"カドミウム"と。


「あの人何者だよ!」


 思わず緑は叫んでいた。


「あっ、悪い…。これありがとな。なんかよく分かんねぇけど美ノ上の計画とやらを絶対止めてやるぜ」


 揺るぎない笑顔を浮かべてから緑は研究室への道のりを駆けた。

 研究室に戻った緑は化学室で知った美ノ上のこと。そしてその美ノ上が残したカドミウムのことを話した。

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