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Red Moon  作者: リョウ
7/11

チケット

 様々なメディアで石原緑という名が取り上げられるようになった。理由はただ一つ。

 赤い月の原因を仮定ではあるといえ突き止めたのだから。


「ロクちん、これあげるー!」


 そんなある日のことだった。

 潤に"東京ディズニーシーペアチケット"をもらったのだ。


「この日、学校だよ!」


「夏休みじゃないの?」


 そう今は夏休み真っ只中。

 しかし、夏休みにも1日は学校に行かなければならない日は存在する。

 登校日、という地獄の日が。


「登校日なんだよ!」


「そっかー、でもあげるよ」


「何でだ?」


「へへへ」


 苦い顔を見せてから潤は落ち込んだ様子を晒した。


「ふられたんだ…」


「誰に?」


「それ聞くんだ。ひどいねー」


 人の感情を失った人形のように棒読みだ。


「堂上先輩に」


「あっ…」


 緑はこの時はじめて潤が堂上先輩に好意を寄せていることを知った。


 久しぶりの学校なのに嫌気がさす緑。

 鉛のように重たい足取りで学校に向かっていた。


「よー!」


 後ろから元気いっぱいの声がした。恋先輩だ。


「恋先輩、どうしたんですか?」


「どうしたんですか?じゃないでしょー! 今日学校終わってから待ち合わせでいいかい?」


 緑がディズニーシーに誘ったのは恋先輩だ。

 恋先輩はすぐにOKを出してくれたので、その後の潤の相手が大変だった。


「はい、どこにします?」


「んーとだなー、"北坂公園の噴水前"でどうだ?」


「いいですよ! じゃ、その時間に!」


 北坂公園の噴水前と言えばこの辺りではデート前の待ち合わせスポットとして有名な場所である。

 更に言うと北坂公園自体がナンパスポットともなっているのだ。




 1連の行事が終わり、下校の時間になった。

 緑は化学室によってから帰ろうと思い化学室に向かった。


「お久しぶりです」


 ドアを開くと同時に声を出した。


 久しぶりーや、お前すげーな、など様々な声をかけられた。

 緑は何となくの愛想笑いを浮かべ呟いた。


「かわってないなー」


「そうですか」


 背後から声がしたのに驚き緑は慌てて振り返った。


「お久しぶりです、緑くん」


「お、お久しぶりです、美ノ上先生」


 声の主である美ノ上先生に挨拶してから緑は用事があるのでと言い化学室を後にした。


 そんな緑の後ろ姿を横目に


「侮れない小僧です。しかし、少し遅かったですね」 と消え入る声で呟いた。

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