赤い月
近年、月が赤くなるという現象が度々確認されるようになった。
そきて、1か月ほど前より赤い月しか夜空に現れなくなった。
「ここ1か月、私たちが見ることのできる月は赤く染まってしまいました。一体いつになれば今まで通りの白く輝く月が見れるのでしょう……」
"赤い月現る! 原因は!?"
テレビニュースや新聞等、様々なメディアで取り上げられている。
そしてもう一つ。最近になって、原因不明の病や、動物や虫たちの巨大化がメディアで大きく取り上げられるようになった。
短く綺麗に整えられた黒髪に少しつった目をした少年。
名を石原緑という。
緑は高校1年生で選択科目は化学と生物。そして今日は登校途中で捕まえた大きさ20cmほどの蟻を観察していた。
「んー、今まで観察した蟻と違いが見てとれない…」
困った表情を浮かべる。
「先生もそう思う。突然変異にしては変化が無さすぎるしな…」
白衣を着込んだ顎ヒゲをはやした男の先生も同様に呟いた。
「それにしても、少ないですね」
緑は教室をグルーと見渡してからため息混じりに吐いた。
「はやり病だそうだ。病名も分かっていないそうだ」
先生は投げやりに言う。
「おかしいですよね、最近」
「ああ。いつ頃からだっけ?」
「えっとー、テレビで言ってる分には3ヶ月前からだそうですよ」
観察用紙に20cmほどの蟻をスケッチしながら答えた。
「そっか…ちょうど赤い月がで始めた頃か…」
ーー緊急対策研究室ーー
ここは突然変異した生き物とはやり病に対する対策本部。国が集めた最高で最強の研究者たちだ。
「やはり、病をとっても突然変異をとっても異常が見つかりません」
1人の研究員が報告をする。
「ふぅむ。では、やはり我々の仮定はあっている可能性が高いのか?」
のぞき込むように訊いた。
「はい、"赤い月の光"が原因かもしれませんね」
「ならば最初に決めたとおり、研究員の募集が必要だな」
立ち上がり全体に向けて言った。
「では、緊急に手配をします!」
1人の女の研究員の声が響く。
「頼んだ」
「はい!」
研究員全員の声は研究所全体に轟いた。




