親友の説明と俺のザコ狩り
俺の執筆魂に火が付きました。
不敵に笑っているワタルは独り言のような小さな声でつぶやいた。
「フッ、誰もいないな。これなら騒がれてもなんの問題もない。」
しかし耳のいい俺はその言葉が聞こえていた。俺はあいつが俺に、これからどんなことをされるのかが不安で仕方がなかった。
「おいワタル!?お前ホントに何する気だ!お前がBL趣味なのは分かったからやめろ!」
それを聞いたワタルは、きょとんとした顔で俺のことを見た。
「ハァ?何言ってんの?俺はただユーキにこの世界の説明をしようとしただけだぞ?変な勘違いすんじゃねぇよ。」
俺は拍子抜けした顔で数秒すごし、そのあと恥ずかしくなり顔が赤くなった。
「あぁあぁ!わかってたさぁ!ほら、早く話をしなさいよ!」
「こいつむかつくなぁ。まぁいいや、さて。この世界は簡単に言うと平行世界だ。」
俺はパラレルワールドぐらいは知っているので、そのまま放置してワタルに話させた。
「この世界について三点程度でまとめるとだな、一つはまず敵がいる。俺はエネミーと呼んでいるが、いわゆるドラ〇エで言うス〇イム的立ち位置だ。弱いやつもいれば、一人じゃ倒せないぐらい強いやつもいる。」
「おいおい!そんなんどう戦うんだよ!武器も防具も何もないぞ!」
俺はかなり焦ったが、ワタルはなにくわぬ顔で続けた。
「まぁ聞けって。そこで二つ目、ここにいる人間はみんな異能力を持っているんだ。」
「嘘だろ!?俺はそんな能力ないぞ?」
「それはこの世界にいるときしか使えない。自覚症状はないから、ユーキのは後々調べていこう。俺の能力は説明が終わったら見せるよ。」
俺は少々不満を感じながら、話を聞き続けた。
「そして最後だ。その異能力だが、効果は生まれもってから変わらないが強弱はある。強くするにはだな・・・・・・。」
俺は息をのみ、じっと聞く。
「重度の厨二病になることだ。」
「おし、俺はすべてが解決したから帰らせてもらうわ。」
すごいスピードでその場を立ち去ろうとしたが、ワタルに腕をつかまれてしまった。
「まぁ待て。俺はゲーム感覚で楽しませてもらってるから、お前も少々楽しめや。」
「ふざけるな。俺はまともな高校生活を過ごすんだ。厨二病になってたまるか。」
俺は必死に抗議した。しかしワタルはなぜか勝ち誇った顔をして、俺の顔を見てこう言った。
「普通の高校生は、disasterなんて単語は知らん。お前はもう立派な患者だよ。だいたいこの世界の入口は厨二病じゃないと見えないしなぁww」
俺は膝をついて倒れた。俺の頭の中にモ〇ハンのクエスト失敗のBGMが流れる。
「まぁとりあえず、ザコのエネミーでも倒してみるか。」
ワタルは俺の手をひっぱって歩き始めた。
気が付いたとき、俺の目の前にはチワワサイズの小さな動く箱みたいなものがあった。
「・・・あ?あぁ!?なんだよこれは!気持ち悪いな、箱に小さな足みてぇな箱が四つ付いてんぞ!?」
「状況説明乙。まぁこいつはスラ〇ム程度だから簡単に倒せるよ。ただし威力は高いしあたると痛いから気ぃつけろよww」
「笑うな!ってうぉお!」
俺の横すれすれを噛みついてきた箱を、間一髪かわす。一丁前に牙もありやがる。
「おいどうしたユーキ。早く倒せよww」
「俺まえから思ってたけど言うわ。お前性格悪いな!つーかお前教えるとか言ってたけどまだ見てないぞ、お前の能力!」
「あぁ忘れてた。いいよ、今見せる。」
そういったとたん、ワタルが俺の目の前で消えた。そのあと俺を襲っていた箱が突然横に吹き飛び、消滅した。
「ほら、これが俺の能力だ。」
いつのまにか俺の横にいたワタルがいった。
「うわっ!いつの間に!・・・ごめん。今何が起こったか、皆目見当つかないわ。」
「なんだよ鈍いなぁ。俺の能力は自分の姿を消すんだよ。もちろん時間制限はあるけどな。」
「強いなぁお前の能力。名前とかはあるのか?」
こんな質問をしたのは、完全に失敗だった。
「よくぞ聞いてくてた親友!俺の能力名は“≒0”だ!」
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ!!」
俺は相当大きな声でツッコミをいれた。
「それはまずいだろ!アラ〇ネのコマンドじゃん!236Bじゃん!ダメだろ!」
「大丈夫だ、問題ない。あれは“イコ〇ル0”だ。どうにかなる。」
それから30分話し合ったが、ついに名前が変わることはなかった。
一話書くのに二時間。
・・・・・・すごい疲れます。
後で見直しましたが、別にユーキはなんも狩ってない・・・。