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アンデットだらけの2周目ダンジョンには治癒魔法が欠かせません!?~とある迷宮保安官と用心棒少女のダンジョン再攻略~  作者: 春街はる
東京迷宮シティ

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36.東京迷宮シティ

 土曜日ということもあり、東京迷宮シティの立体駐車場はとても混んでいた。

 一生懸命、空いているところを探して、なんとか車を停める。


 ……どこに停めたのか、帰りに分からなくなりそう。


 周りを見渡すと、柱に「E7」と書いてある看板が貼ってあった。

 スマホでぱしゃりと写真を撮って、私たちはショッピングモールの入り口に向かった。


執行(しぎょう)さんは来るのは初めてだっけ?」

「いえ、試験の時に一度」

「あぁ、そっか」


 渋谷ダンジョンの前に、探索者の試験を受けてもらったと津守(つもり)さんが言っていたのを思い出す。

 

 東京迷宮シティは、武器や防具、道具などを販売、加工する店舗が並ぶモールに隣接して、探索者用の屋内練習施設も建てられている。数年前に建てられたばかりの綺麗な練習場で、最新の機器も揃っているから探索者たちに大好評だと聞く。

 最近の探索者試験も、その練習施設を使って開催されているのだった。


「ですが、そのときは試験会場へ行くために通っただけなので、じっくり見るのは初めてです」

「じゃあ、今日はちょうど良かったね。執行さんも気になったものがあったら、遠慮なく言ってね?」

「いえ……今日は佐々貴(ささき)さんの武器ですから」

「いやいや、装備品も買っていいって言われてるからさ。執行さんも、ちゃんと自分のものも見てよ」

「私まで、本当にいいのでしょうか」

「いいのいいの。執行さんのおかげで調査ができるわけだしさ。必要経費だよ」

「……はい」


 エレベーターで下降していく。

 1階に到着して、エレベーターの扉が開くと東京迷宮シティのショッピングモール街が目の前に現れた。


 中央は吹き抜けの3階建てで、左右に店舗が所狭しと並んでいる。

 天井から取り込まれた光がピカピカに磨かれた床に反射して、まぶしいくらいに明るい印象だった。

 私ですらテンションが上がるのだから、探索者からすれば天国のような空間かもしれない。


「案内所に行こうか」

「はい」


 津守さんの伝手で、今日はダンジョンや探索者、武器、それから東京迷宮シティに詳しい人に案内をしてもらうことになっていた。

 総合案内所で合流となっている。


 いったい、どんな人なんだろうと少し緊張していた。

 流石に津守さんの知り合いと言っていた、このモールのオーナーさん直々という訳ではないと思うけど……。


 少し不安になりながら総合案内所にやって来た。

 係の方に声を掛けると、奥から黒のスーツ姿の女性が出てくる。

 肩口で切りそろえられた黒髪に凛とした顔立ち。すらりとしたスタイルはスカートのスーツが似合っていてとてもカッコいい印象を受ける。

 年齢は津守さんと同じくらい? 30代半ばくらいに見えた。


 ……執行さんが大人になったら、こんな風に素敵な女性になるのかな。

 なんて思ったけど流石に気持ち悪いか。

 うん、なかったことにしよう。


 と一人で考えていると、女性が案内所のカウンターから出て来て、私たちの前に歩いてきた。


「本日はお越しいただきありがとうございます」


 女性が名刺を、私と執行さんのそれぞれに手渡す。


「本日はオーナーより、お二人の案内を申し付かっております第二秘書の新谷(にいや)と申します。よろしくお願い致します」


 だ、だだだ第二秘書!

 オーナーさんが直接案内をしてくれるとは思ってなかったけど、まさか秘書の人が来るとも思っていなかった。

 お店の人かなぁ……と勝手に想像していた。


 って、私も挨拶しないと。

 私がしないと、執行さんもできないだろう。


「こちらこそ、お忙しい中ありがとうございます。迷宮保安庁から参りました佐々貴です。こちらはダンジョンの調査に帯同していただいている執行さんです」

「執行七瀬(ななせ)です。よろしくお願いします」


 執行さんが会釈する。

 さすがの執行さんも少し緊張しているみたいだった。


 新谷さんはにこり、と薄っすらと笑みを浮かべて口を開く。

 

「お話は伺っております。早速ですが、まずは佐々貴様の武器のご案内をしてもよろしいでしょうか?」

「はい。よろしくお願いします」

「かしこまりました。いくつかの店舗に話を通していますので、こちらへどうぞ」


 先導してくれる新谷さんの後ろをついて、私と執行さんも歩き出した。


お読みいただきありがとうございます。

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