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アンデットだらけの2周目ダンジョンには治癒魔法が欠かせません!?~とある迷宮保安官と用心棒少女のダンジョン再攻略~  作者: 春街はる
渋谷ダンジョンとアンデッド

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1.攻略済みダンジョン

「これで撮影開始……っと」


 迷宮――ダンジョンに足を踏み入れる手前。

 重工は鋼の扉の前で、私は撮影用ドローンの撮影開始ボタンを押した。

 このドローンは、AIによる自動操縦&自動撮影機能が付いていて、ダンジョン内で配信を行う探索者たちにとっては欠かせないものだ。


 ……といっても、私――佐々貴(ささき)寧々(ねね)は、ダンジョン探索者や配信者ではない。

 日本のダンジョンを管轄している迷宮保安庁に勤める三等迷宮保安正だ。

 今日は上官である津守二等迷宮保安監に命じられて、このダンジョンの様子を窺いに来たのだった。


 指を離すと、ドローンはふわりと飛び上がる。

 ほとんど音を立てることなく移動して、私の背後でピタリと待機した。


 これにてダンジョンへ潜る準備は完了。

 隣で待っていた少女に声を掛ける。


「よし、行こうか」

「はい」


 こくりと頷いたのは執行(しぎょう)七瀬(ななせ)さん。

 綺麗な黒髪ロングに整った顔立ち。すらりと背が高くてモデルさんみたいな女の子だ。

 ジャケットにパンツといったスタイルは私が着ている迷宮保安庁の制服とほぼ同じ構成。だけど、随分と私よりも格好よくて様になっている。

 年齢は、今年で24歳を迎える私よりもいくつか若く見える。もしかすると高校を卒業したばかりなのかもしれない。


 執行さんは津守さんが手配してくれた謂わば用心棒だ。

 ダンジョン内では不思議な力があり、探索者たちは魔法と呼ばれる力が使えるようになる。しかし、残念ながら私が使えるのは治癒魔法。魔物と戦う力は皆無だ。

 ということで『君のサポートをしてくれる』と津守さんに紹介されて、同行してもらったのだった。


 執行さんの腰には日本刀を模した迷宮武器が携えられている。

 おそらく、あの刀に魔法を込めて魔物と戦うのだろう。


「あの、佐々貴さん」

「ん?」


 執行さんが、私たちの背後をゆっくりと付いてくるドローンをちらっと見る。


「これって配信しているんですか?」

「ううん、配信はしてないよ」


 私を首を横に振ると執行さんはほっとしたような表情になった。

 しまったな。

 最初に説明をしておいたほうが良かったかもしれない。


「ダンジョン内では撮影が義務だから撮ってるけど、配信サイトとかには出してないから安心して。保安庁に直接送ってるだけだから」

「そうですか」


 短く返事をされて、会話終了。

 ここで気の利いた楽しいトークができればいいんだけど、特に思い付かず。

 そのまま足音だけが聞こえる状態でダンジョンを巡っていく。


「……何もいませんね」

「まぁ、とっくの昔に攻略されたダンジョンだからね」


 今、私たちが探索しているダンジョンは、20年前に日本で最初に発現した5つのダンジョンのうちの1つ。

 ダンジョン探索が一般人にも開放されるや否や、たった数日で攻略されたダンジョンだ。

 現在は一般探索者の出入りは禁止されており、鉱物などの資源を採取するために政府が管理をしている。


 なので、このダンジョンに魔物がいないのは不思議ではない。

 ほとんどのダンジョンでは、最深部にいる主の魔物を倒すと、どういうわけか魔物が生まれなくなる。


 だというのに、津守さんによると確かな異変が起こっているらしい。

 犬や猫が入り込んでしまって、その影を勘違いしてしまったんじゃないだろうか。

 命令だから訪れたものの、私はよく分からずにいた。


 そして、やはりと言うべきか、地下1階層では魔物に出会うこともなく、何の異変も感じることはなかった。

 続く地下2階にも特に異変はない。

 やっぱり津守さんの勘違いではないだろうか。


 そう思いながら進んでいると、


「佐々貴さん。止まってください」

「え?」


 左手で私を制しながら、執行さんが抜刀する。

 私を庇うように数歩前に出て、刀を構えた。


 暗闇から近づいてくる足音が聞こえる。

 そして、姿を現したのは濃い緑色の皮膚が特徴的な人型の魔物。


「あれは、ゴブリン……?」


お読みいただきありがとうございます。

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