7.僕の味方は父さんだけ?
「よし、天気もいいことだし今日はドラゴンを見に行くか」
朝食前、父さんを待つ間に開口一番に母さんが言った。
いやいやドラゴンなんてそんな気軽に見に行くものじゃないでしょ。
一体だけでそこそこ大きな街が壊滅するレベルだっていろいろな本に書いてあったぞ。
「「行きたい!」」
そんなことなどお構いなしにテンションの上がっている兄と姉。
こういときって下の子がはしゃいで上の兄弟がほほえましく見守ってるのが相場じゃないの。
なんで僕が一番落ち着いているの。
「みんなお待たせ。そんなにテンションが上がってどうしたの」
待ちに待った救世主が現れた。
「ん?今日ドラゴンを見に行こうってだけだぞ。ほら、早く飯食って出かけるぞ。」
「いやいや、ちょっと待ってよ。ドラゴンが現れたって僕とメアリーがいればなんも問題ないけど見に行くってあの森に連れて行く気?」
良かった。
父さんにはちゃんと常識があった。
ドラゴンなんて、、、え?
ん?
ドラゴンが問題ないだと。
「ん?大丈夫だぞ。ドラゴンは私が一人で倒すし、ラセンシオが子どもたちを見てれば問題ないだろ」
「いやいやあの森にはドラゴン以外の魔物もいるしせめてゴブリンくらいは一人で倒せるようになってからじゃないと。ウィルは大丈夫だろうけどリリは訓練を始めたばかりだしアレクは3歳になったばかりだよ」
「ならあいつもつれていけばいいだろ。ウィル達も行きたがってるし」
「「いきたい」」
「そう言うなら仕方ないか。あいつってレクサスのことだよな。あいつには俺がいない間の指揮を取り持ってもらいたいんだけどな」
「執事の一人や二人いなくたって問題ないだろ」
「いや、その執事が一人しかいないから問題なんだよ」
「なら仕方ないか、今日は諦めてまた今度にしよう。よし、今日からアレクも訓練を始めるか。そうしたらドラゴンを見に行くのに問題も減るだろう」
「僕はまだく「やったねアレク。今日から一緒に訓練しようね」、、、うん」
「んー僕としてはまだ訓練は早いと思うけどアレクがやりたいならやろっか」
まだ拒否できるチャンスがあったとは、、、姉の圧に負けてしまった。
まあ3歳の訓練なんてそんなにきつくないだろう。
「よしなら今日から訓練するか」
全然甘くなかった。
「流石に今日からは早いんじゃない。アレク用の剣とか準備がいるし」
ということで僕の訓練は準備ができてからとなった。
兄と姉がとても残念そうな顔をしている。
君たちどんだけ僕と訓練したかったのよ。
そして母さん、何故あなたも残念そうにこっちを見ているんだ。
父さんはどこか疲れたような目でこっちを見ている。
どうやら僕の味方は父さんだけだったようです。