5.仕事の邪魔しないで
転生してから数週間が経った。
まだ赤ちゃんなので特にすることもない。
魔法?魔力?
魔法があることは知ってる。
転生してからいろいろな人が使っているのは見ていた。
小さいころから練習しないのかって?
俺TUEEEEを目指すわけでもないのに何でそんなめんど、、、ごほん、危険なことをしないといけないんだ。
僕知ってる。ここ転生ものの本で習ったとこだ。テストに出るって言ってたもん。
強くなったらめんどくさいことが増えるって。
貴族?Sランク冒険者?そんなものこれっぽちも興味ない。
権謀術数?そんなもの関わりたくもない。
Sランクにしかクリアできない依頼?そんな危ないことしたくない。
家でゴロゴロ過ごしてるくらいが僕にとってはちょうどいいんだ。
ただ残念なことに知ってしまったんだ。
数週間もあれば僕が貴族の家に生まれたことくらいいやでもわかる。
アレクシス・リンガード、通称アレク。
リンガード家の次男アレクといえば僕のことだ。
父親はラセンシオ。27歳。
よく母の尻に敷かれている。
この国の貴族だ。
公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵とある貴族の末席である男爵らしい。
一応騎士爵というのもあるがこれは貴族ではないらしい。
うん、よくわからん。
話がそれた。戻そう。
母親はメアリー。こちらも27歳。
茶髪ロングですらっとした顔立ち。
うん、美人だ。
夫婦二人で冒険者をやっていたらしい。
ただ母は元貴族令嬢でかなりのお転婆娘だったらしい。
どうやら昔組んでいたパーティーで強大な魔物を討伐してその功績で貴族になったらしい。
兄はウィリアム、通称ウィル。6歳。
父親の金髪と母親の顔立ちを受け継いでいる。
文句なしのイケメンだ。
将来多くの女性を泣かせることになるだろう。
別に悔しくなんてないし。
姉はリリシア、通称リリ。4歳。
茶髪で母親にそっくりだ。
今も目の前にいる。
ん?目の前にいる。
どうやら勉強の時間を抜け出してきたらしい。
母に似てお転婆に育っているようだ。
勉強から抜け出して何をしているかって?
僕の顔をつついて遊んでいる。
ぷにぷに。
ぷにぷに。
ぷにぷに。
いつになったら終わるんだろうか。
これは寝かせてくれなさそうだ。
ぷにぷに
おーいいつ終わるんですかね。
「リリー?まったく勉強の時間に抜け出しちゃダメでしょ。ほら戻るよ」
ようやく救いの手が差し伸べられた。
流石我が父。
これでやっと寝れる。
「えーまだアレクと遊びたい」
「赤ちゃんは寝るのが仕事なんだよ。仕事の邪魔はしちゃいけないよ」
そういいながら姉を連れ出してくれた。
「リリはメアリーに似てお転婆になら『ゴンッ』いたっ」
「誰がお転婆だって?」
「何でもないです」
父が母に殴られていたような気がするがきっと気のせいだろう。
うん、気のせいだ。
平和になったことだし仕事でもしますか。
そう仕事。
仕事だから仕方ない。
決してだらだらしているわけではない。
おやすみなさい。
名前考えるのってかなり大変なんですね。
登場人物が多い作品書いている作者さんとかどうやって考えているんでしょうか。