2.知らない場所でも
「ちょうど一人だし君でいいや」
そんな声が急に聞こえたと思っていたら教室とは違う空間にいた。
ここはどこなんだろう。
そんな疑問よりも大事なことが彼にはあった。
「まだ全然寝れてなかったのに」
そんなことを思った矢先に視界に入ってきたのは寝心地のよさそうなベット。
暗闇の中であってもベットを見つけることができるなんて才能があったのか開花したのか。
とにかくそのベットで一人の女子が寝ている。
そんなことは彼の頭の片隅にもよぎらなかった。
頭の中はベットで寝ること、ただそれだけであった。
「おやすみなさい」
それだけはしっかり言って彼はベットで眠りについた。
しばらく時間が経ち、朝と言える時間になった。
「おきたら隣に知らない人が寝ている、しかも男子!!」
なんて即座に考えるようであれば問題にはならなかった。
いや、その場合違う問題が起きていたかもしれないが。
それはさておき隣の人が起きたことで横で寝ていると気になってしまい起きるというのはよくある話である。
今回も例にもれず隣で寝ていた彼も起きた。
顔を見合わせて十数秒、互いの心が通じたのか思ったことは一緒であった。
「「誰!!?」」
なんてことはもちろんなく
「「二度寝しよう」」
間違いなく二人の息はぴったりであった。
もちろんそんな二人が寝るのに時間がかかるはずもなくすぐに眠りについた。