1.始まりの時
初めての投稿で拙い部分が多々あると思いますがよろしくお願いします
ジリリリリィッーーーー
非常ベルの音がけたましく鳴り響く。
「火事です、火事です。調理室で火災が発生しました。中央階段を避け落ち着いて近くの階段から校庭に避難してください」
「えっ、なんか煙いんだけど」
「マジで火事?」
「お前ら一回落ち着け」
数学担当の若い先生が落ち着かせようとするも避難訓練とは異なる雰囲気に教室がざわめく。
そうな状況の中1人落ち着き払っている男子生徒がいた。
いや落ち着いているというのは不適切かもしれない、机に突っ伏して寝ていた。
大事な事だから2回言う。
寝ていた。
「今日って避難訓練の日だったっけ?まあいっか寝よう」
そんなことを思ったとかおもってないとか。
まあ何にせよ寝ていた。
彼にとって不運だったことは担当の先生が新任だったことだ。
先生に教員としての経験があれば避難をクラスをまとめて逃げ遅れがいないか確認することができていたであろう。
まあ火災という非常事態でてんでんばらばらに生徒が逃げるのをまとめて避難しないよう先導して避難できただけまともである。
他のクラスでも勝手に逃げる人は続出しており、まとめあげることのできた先生はごくわずかであろう。
そんなわけで彼一人教室に残っていた。
「ちょうど一人だし君でいいや」
そんな声だけが響き渡り、彼の姿は教室から消えていた。
途中で一人いないことに気づき、確認に来た先生が誰もいない教室を見て自分で避難したと判断したのも無理のないことだろう。