第九章76 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第4試合】36/【イレギュラー・バトル】2
【時空系】の【異能】が大した事ないと言う表現は【芳一】の【フィクション・レジェンド】と言う作品の序盤で表現されている。
ラスボスである【クスンタティーア】が結構序盤で誕生するため、【時空系】の能力は無用の長物という扱いになっている。
ちなみに、【クスンタティーア】はその後もラストまで新ネタや新ルールを動く度に出し続けるという前代未聞のキャラクターである。
そんな無茶苦茶なキャラクターは通常の物語ではストーリーが破綻するため、思いついても使えない。
ネタが10000以上もある【フィクション・レジェンド】だから出来る離れ業である。
そう言うネタをたくさん作っているからこそ、【芳一】は多くの才能ある者に特別視されている。
おっと行けない。
これは【芳一】のバトルではなかったな。
【神宮姉妹チーム】と【ノア・ファーヴルチーム】の戦いの話であった。
この両チームもまた、【芳一】と同じく【選ばれし者】として、【覇王】となるために挑戦しているのである。
【芳一】にとって大した【異能】として受け取っていない【時空系】の【超チートアイテム】に対して、この両チームもまたひるんでいる場合ではない。
むしろ戦いの妨害をする邪魔者として、排除する方向で両チームは行動を開始した。
幸い、両チームには、自作の【世界観】を具現化する力を宿している。
もちろん、この程度の相手に全力を出すことなど許されない。
チーム最強のチームリーダーが出るまでもない。
他のメンバーに適当に処理してもらう。
それが、両チームの取った手段だった。
チームリーダー以外が、じゃんけんをして負けた者が対処すると言う事になった。
【神宮姉妹チーム】は、【植田 千晃】、
【ノア・ファーヴルチーム】は、オランダ人女性【ラッヒェル・カウペル】、
共に【覆面選抜メンバー】だ。
どちらのメンバーも活躍の出番を心待ちにしていたが、こんな部外者の排除の様な半端な仕事を任されて心底嫌そうな表情だった。
【千晃】は、
「えーっと・・・ひぃ、ふぅ、みぃ・・・
ざっと見たところ大体40名ってところね。
そっちのじゃんけんに負けた人(【ラッヒェル】の事)、平等にお互い20名ずつたたき出すって事で良いわね。
お互い、残飯処理みたいなどうでも良い仕事を押しつけられて残念ね」
と言った。
【ラッヒェル】も、
『そうね、確かに言えてるわ。
どう見ても雑魚だし、【アイテム】も大した物とは言えない。
オマケにろくに【アイテム】を操れもしない。
って事で【ショータイム】って事にしない?
どっちが映えるあの変なの達の倒し方を出来るか勝負するってのは?』
と返した。
【千晃】は、
「良いわね。
ただやるのもおもしろくないし、まぁ、実際の勝敗には影響しないお遊びのデモンストレーションとしては良いかもね」
と言う事で同意したのだった。
40名の侵入者達は完全に舐められていると言って良かったのだった。




