第九章72 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第4試合】32/【オフェンス&ディフェンスコラボタイムレース】3
【雛鞠】は、【オフェンス&ディフェンスコラボタイムレース】で姉の【美彩】が作った【オール・ベスト】と言う色んなジャンルを網羅している作品から【嘆きのポロン】と言うキャラクターをチョイスした。
その【キャラクター】に挑ませるのが、【ノア】が【ディフェンス側】に用意した、二大最高傑作作品となる【ゴッド・モンスター】で展開される【物語】となる。
【ゴッド・モンスター】で描かれているのは、【神がかった怪物】である。
【ノア】が考えられる最強を【ゴッド・モンスター】に詰め込んでいる。
だが、【ミッション】にはその【ゴッド・モンスター】達の討伐は含めていない。
もしも、強い敵を倒せば良いと言う単純な【ミッション】だった場合、万が一討伐されてしまうのを恐れての提案となる。
理由としては、いくら強さに自信を持っていたとしても【キャラクター同士】の相性というものがある。
例え、圧倒的な力を持つ、【拳/グー】でも【じゃんけん】と言う勝負では、水に濡れたら溶けてしまう様な【紙/パー】にも負けてしまうのである。
だから、挑戦者である【雛鞠】が【トリッキー】なバトルスタイルを持つ【キャラクター】をセレクトして来たら負けてしまうかも知れない。
世の中には【不老不死/不死身】の存在を倒すやり方でさえ、多種多様に溢れているのだ。
【ノア】の知りうる限り、【絶対的な強さ】と言うものは無い。
あくまでも【相対的】に見て強いか弱いかの判断だけである。
強いとされる存在も完全に油断していたら名前も無いような雑魚キャラに討たれてしまう時だってある。
戦争だって、名のある将校が無名の戦士に討たれる話など腐るほどある話なのだ。
だから【ノア】にとっては、【切り札】とは最後の最後まで取っておくもの。
そう言う考えで居た。
一応、チームリーダー同士の戦いとはなっているが、この【覇王杯/オーバーロード・カップ】第1回戦第4試合の戦いにおいてこれが最終戦ではない。
後の戦いを考えて力を温存する。
それもまた、立派な戦術である。
この戦いにおいて、【最強戦力】を投入する必要はない。
【最強戦力】を使わずとも出来る事は山ほどある。
要は工夫しだいで、【最強戦力】を投入するより、よっぽど難解な問題を提起する事は可能なのである。
頭はこういう時のために使う。
例えば、【ちょい役】の誰かを見つけると言う【ミッション】を考えた場合、余りにも無名なキャラクターのため、作中の誰も知らずに虱潰しで探す事になる。
この場合は辺りを破壊すれば済む話では無く、破壊してしまった場合、その【ちょい役】も消滅してしまうかも知れない。
だから、壊して回る事も出来ない。
そして、作品の世界観が広ければ広い程、【砂浜の中の落とした指輪】を探すより困難な【ミッション】にだってなり得るのである。
それに破壊しまくっていたら他の【ミッション】も潰してしまうかも知れないから下手に破壊行為が出来ない。
そう、この【ミッション】は、強ければ勝てると言うミッションでは決してないのである。
だからこそ、【ノア】の【最強戦力】を温存すると言うプランは決して日和ったり、出し惜しみをしている愚作という訳ではないのである。




