第九章71 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第4試合】31/【オフェンス&ディフェンスコラボタイムレース】2
【雛鞠】対【ノア】の【最強作品対決】となる【オフェンス&ディフェンスコラボタイムレース】が行われようとしていた。
繰り返し述べることになるが、【雛鞠】は、【オフェンス側】に姉の【美彩】が考えた最高傑作作品となる【オール・ベスト】、【ディフェンス側】に自分が考えた最高傑作作品となる【全部のせ】を選択している。
【ノア】は、【オフェンス側】に二大最高傑作作品となる【マキシマム・ストロンゲスト】、【ディフェンス側】に、同じく二大最高傑作作品となる【ゴッド・モンスター】を選択している。
その【勝負】を少し紹介して見よう。
タイムレースなので、【雛鞠】の挑戦と【ノア】の挑戦は同時に行われているが、まずは片方のサイドから見るという事になる。
まずは、【雛鞠】の挑戦から見てみよう。
【雛鞠】は、【オフェンス側】として、姉の【美彩】が考えた最高傑作作品となる【オール・ベスト】の中から【キャラクター】を選択する事になるのだが、最初に選択する前に【ノア・ファーヴルチーム】側の【ディフェンス側】となる【ゴッド・モンスター】の【世界観】の【100のミッション】を確認してから、【オール・ベスト】の中から、【ミッション攻略】に的確だと思える1キャラをチョイスし、選択する事になる。
【雛鞠】が【100のミッション】を見て選んだのは、【オール・ベスト】の【嘆きのポロン】と言うキャラクターだった。
【オール・ベスト】と言う作品は、【芳一】の【フィクション・レジェンド】と同様に【オールジャンル】を描いた物語である。
【フィクション・レジェンド】とは同じ様にならない様にきっちりと棲み分けがされているが、【SF】、【ファンタジー】、【恋愛】、【バトル】、【ホラー】、【ギャグ】、【日常】、【冒険】等々、様々なジャンルに該当する部分を持った作風となっている。
【フィクション・レジェンド】が【夢】よりな作風なのに対して、【オール・ベスト】は【愛】よりの作風という事になる。
それは作家の性格が影響していると言えるだろう。
【芳一】は愛よりも夢を選ぶタイプであり、
【美彩】は夢よりも最後は愛を選ぶタイプであると言う事になる。
そのため、【愛】のために【夢】を捨てると言った、どちらかと言うとお涙頂戴展開が多い作風となっている。
その点、【芳一】の【フィクション・レジェンド】は明るめの展開が多いと言う事になる。
よって、【オール・ベスト】の作風は、【フィクション・レジェンド】と同じ色んなジャンルに属する話だが、根幹となる作風は異なるスタンスでやっている作品という事になる。
その【オール・ベスト】の中で【雛鞠】がチョイスしたのが【嘆きのポロン】と呼ばれるキャラクターである。
【嘆きのポロン】はとにかく後ろ向きな性格をしている。
「無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理」
とか、
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・」
とか、
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」
など、とにかく後ろ向きな言動が目立つキャラクターである。
だが、
「結局、出来るんかい」
と突っ込まれる不器用に見えて超器用なキャラクターである。
今回のミッションはただ破壊行為に適しているキャラクターを選べば勝てると言う勝負ではない。
ミッションそのものを破壊してしまっても失敗となるのだから。
だからこそ、出来るだけ万能型で手先の器用なキャラクターを選ぶ必要がある。
そこで選ばれたのだ。




