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第九章49 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第4試合】9/【覇王】に対する【ノア・ファーヴル】の思い1

 【ノア・ファーヴルチーム】は、順転参戦方式の中では3本の指に入るほど絆が深いチームと言えるが、チームリーダーの【ノア・ファーヴル】は、【覇王杯/オーバーロード・カップ】の優勝チームのチームリーダーがなる【覇王】と言う立場に対して冷めた所がある。

 参加チームのリームリーダーの中で、最も、【覇王】の権威を軽蔑していると言っても過言ではない。

 嫌悪感さえ抱いている様だ。

 では、なぜ、そんな嫌悪感を持ちながら、【覇王】を決める戦いに参加しているのか?

 それは彼等の元居た世界に戻るためである。

 【覇王】にならなければ元の世界に戻れない。

 だから仕方なく参加しているのだ。

 ならば、なぜ、その【覇王】を毛嫌いしているのか?

 それは、【ノア】は元居た【異世界】でその【異世界】の【覇王】を直接見ているからである。

 その【覇王】は、【覇王】のランキングとしてはトップ100どころかトップ10000にも入らない、存在感の無い【覇王】だったが、それでも【覇王】は【覇王】である。

 そして、その【覇王】だが、必ずしも【民のため】に統治をする訳ではないと言うことだ。

 中には己の欲望のために好き放題、勝手放題を繰り返し、世の中を最悪な状態にするクズ【覇王】も少なからず存在する。

 【覇王】は【神】では無いと言うことである。

 【神】にも世の中に禍をもたらす【邪神】や【悪神】なども存在するが、そもそも【覇王】は、【神】になる存在ではないのである。

 つまりは、【覇権】を握る者である。

 【覇権】を握った者が何をしようと【覇権】を握った者の自由。

 少なくとも【ノア】の居た【異世界】ではそれが当たり前のルールだった。

 そして、野望のため【覇王】になろうする者が後を絶たず、【覇王】となった者は最悪な政治を繰り返していた。

 また、【覇王】の命を狙って新たな【覇王】になろうとする者も多く居たため、殺伐とした世界になっていた。

 はっきり言えば最低の世界。

 それが【ノア】の居た【異世界】だった。

 だが、そんな【異世界】でも心のよりどころは存在した。

 絶望するのに初めから何も与えられて居ないものはなりにくい。

 何かを持っていたりした者がそれを奪われるから人は絶望するのである。

 【ノア】もそうして【絶望】を経験した者だった。

 裏切られどん底を味わい、そして復讐を誓った復讐者。

 それが、【ノア・ファーヴル】と言う【選ばれし者】だった。

 普段はにこやかにしている【ノア】だが、その心の奥底には復讐の炎がメラメラと轟音を立てていた。

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