第九章37 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第3試合】34/まだまだある勝負バリエーション6
一方、【華刻嬢チーム】で優秀な世界観を作ったのは、【白瀬 美鶴】が考えた【逆占い】だろう。
占いと言えば、女子が大好きなテーマである。
恋占いをやった事のある女子は多いだろう。
恋占いと言っても相手が居る場合と居ないけど素敵な出逢いを求める場合では占い方も異なる。
また、人生占い。
金運。
健康運。
子宝。
勉学。
他にも占う事は事欠かない。
これは、何とも乙女チックな世界観と思うのはまだ早い。
これはただの【占い】では無い。
【逆】占いなのだから。
【占い】とは基本的に自分に未来に起こる出来事などを予想してくれると言うものである。
言ってみれば【占われる対象】に合わせた【訪れる未来】を予想すると言うものである。
それに対して【逆占い】とは、【占い結果】に【対象者】が合わせると言うことを意味している。
言っている意味がわからない?
それは、どういう事か?
それは、毎日の占いで出た【占い結果】に合わせて【対象者】がそれを肯定するための行動を取ると言う事である。
【逆占い】は全くの出鱈目であり、その通りになる訳がないのだが、それを366日、毎日、【実現】させた者はどんな【命令】でも他者に出来るという世界観となっている。
例えば、
【1月1日】今日はマラソンで転んで左腕を折った。
と言う【逆占い】があった場合、【対象者】は実際にマラソンをして転んで左腕を折って見せたらその日のミッションクリアという事になる。
【逆占い】はランダム設定になっており、どんな占いが占われるか解らない。
だが、12カ月で12段階に難しくなっていくと言う設定になっている。
例えば1月から始めたと仮定して、1月は単純な【今日はマラソンで転んで左腕を折った。】などの様な文章だが、2月に入ると【今日は大食いをして腹をこわして下痢をしたがそのまま授業に出てダンスを踊った】などの様に、文章が増える。
最後の12月になるとかなりの長文でそれを実行させるのは至難の業と言う事になる。
それを1年間やり遂げたら何でも命令出来る権利を得ると言う作風なのである。
当然、1日でも失敗すればそこでアウトというリスキーな挑戦の物語を描いている。
これも他のチームの作品と同等の作品と言っても過言ではないと言えた。
だが、これもやはり選ばれる事は無かったのである。
どんなに良いものを作ろうとも選ばれなければ発表の機会はない。
そう言う勝負なのである。
だが、埋もれさせるには惜しいので少し発表させていただいた次第である。




