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第九章36 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第3試合】33/まだまだある勝負バリエーション5

 次に【ヌルチーム】で優秀な世界観を作ったのは、やはりチームリーダーの【ヌル】の作った【左利きの手の森のシェイクハンド(SHAKE HAND)/握手】と言う世界観だろう。

 これは、【ハルマゲドン】や【ラグナロク】などの要素もモチーフにしている。

 【ハルマゲドン】とは言わずと知れた世界の終末的な善と悪の戦争や世界の破滅そのものを指している。

 【ラグナロク】も有名で北欧神話で、世界の終末で、神々と怪物が壮絶な戦いを繰り広げたのち、全世界が炎に包まれ、大地は海に没する事を指す。

 簡単に表現すれば【善】と【悪】の戦いの様なものである。

 ただし、この世界観では、どちらが【善】でどちらが【悪】かは決着がつくまで決まらない。

 勝った方が【善】として認定され、負けた方が【悪】として認定される、結果が全ての戦いとして表現される。

 なので、どちらサイドも【善】であり【悪】でもあると表現されている。

 では、どちらも【善】であり【悪】であるならどう言う棲み分けがなされているのか?

 それは【利き腕】である。

 【両利き】は裁定者として中立の立場となり、

 圧倒的な多数を占める【右利き勢】と、

 才能豊かな者が多いとされる【左利き勢】の戦いという事になる。

 【善】であり【悪】である両者の代表は、己の正義を示すために、歴史上の偉人達を戦力として、団体戦を行う。

 【右利き勢】には、【右腕】が森の様に地面から生えている場所へ出向き、そこで無数の右腕の中から自分の戦力となる【右腕】と【シェイクハンド】、つまり握手をする。

 すると、その右腕が盛り上がり、中からその右腕の持ち主である歴史上の偉人が自軍のメンバーとして加わると言う設定になっている。

 タイトルが【左利きの手の森のシェイクハンド(SHAKE HAND)/握手】となっているので当然、主人公側に設定されているのは数の少ない【左利き勢】と言う事になる。

 【左利き】の【善】であり【悪】である者は、【左手】が森の様に生えている(ただし【右手】の森より圧倒的に少ない)【左腕】と左手で【シェイクハンド】/握手をする。

 すると同じようにその左腕が盛り上がりその持ち主である偉人が仲間になるという設定になっている。

 また、これは【質】/【左手】対【量】/【右手】の戦いも描いている。

 数で攻めるか?

 それとも圧倒的な才能で攻めるか?

 それも描いている。

 【右腕】と【左腕】、その【腕】に込められた逸話なども細かく描き、大河ドラマの様に壮大な物語として紡がれている。

 【ヌルチーム】は才能が無いと自覚しているが、このレベルの作品であれば、十分、他のチームと対等に渡り合えるレベルであると言えるだろう。

 自分が弱いと認めるのは勇気がいる。

 そう言う意味では本当は強いチームなのかも知れない。

 【ヌル】と言う女性は弱くて強い。

 そう言う存在なのだろう。

 惜しむべきはこの作品がバトルに採用されていないと言うことだろう。

 あくまでもくじで世界観を決めるため、それはいたしかたの無いことであると言えるのではあるが。

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