第九章30 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第3試合】27/即興創作対決7
【絆】や【仲間】などと100パーセント真逆な行動を取るのが【華刻嬢チーム】の作り出した【クエスト・オブ・クエスト側エリア】/【ブラック大陸】の主人公、【藤田 万映】である。
この主人公は【華刻嬢チーム】のチームカラーともなっている【他者への出し抜き】と【闘争】を体現した様なキャラクター設定になっている。
他のキャラクターから倒して奪うことを信条とした設定となっている。
彼女の性格設定はとてもシンプルだ。
気に入らない図に乗っている相手に喧嘩をふっかけて倒して奪う。
それのみである。
さすがに敵チームのラスボスを倒すには1つや2つの異能を奪った程度では倒せないのは解っているが、短期決戦でこれだと思う異能を3つ手に入れたら速攻で、けりを付けるつもりの様だ。
短気なメンバーが多い【華刻嬢チーム】の性格を体現しているかの様だ。
作中で表現されるのはどんなきっかけでバトルになるか?
その一点のみである。
たとえば、
「おい、お前、肩ぶつかっただろうが。
ごめんて言えよ、ごめんって」
「あぁ?知るかよボケが。
てめぇがぶつかってきたんだろうが」
と言うチンピラ同士の喧嘩のきっかけから、
「俺の顔を忘れたとは言わせねぇぞタコが。
ここがあったが百年目だ、こらっ。
てめぇが俺の家族を騙しやがった事忘れてねぇからな」
「はぁ?知るかボケっ
てめぇはいちいち、道端の石ころの事、覚えてんのかよ。
てめぇはいいとこ、馬のクソがお似合いだよ」
と言う敵討ちバージョンなどがあるがどれも柄の悪い展開となるのでこれくらいにさせてもらおう。
【万映】は、めぼしい相手を見つけて喧嘩をふっかけていく。
後は、相手がその気になりバトルになれば儲け者だ。
戦争と同じでこの世界では【正しさ】と言うのは勝った方についてくる。
最初に喧嘩を売ったキャラクターは、【暴走種族リアルフェイクの理沙】だ。
【理沙】を倒すことで彼女が持っている【異能】をどれでも1つ奪えると言う展開になっている。
こうやって辺り構わず喧嘩を売りまくり、相手から1つずつ【異能】を奪っていく。
負けたら自分から【異能】が1つ奪われる。
全部、失った時点でアウト。
ゲームオーバーとなる。
初期設定では主人公には3つの異能が設定されている。
そこから【異能】の数を増やしていくのだ。
それがこの【ブラック大陸】の絶対ルールだ。
戦いには相性というものがある。
この相手のこの異能には強く、または弱いというのがある。
その相性を見極めて、喧嘩を売った相手を倒す異能を得て、最短距離で【ラスボス】を倒す事を目指す。
それが、【華刻嬢チーム】の作り出した世界だった。




