第九章21 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第3試合】18/第3試合初戦5
続いて、【華刻嬢チーム】の【オリジナルバトルルール】は第21案【瑛里沙ルック/トリプル】の方も追ってみよう。
【瑛里沙ルック/トリプル】は、特技苦手を含めた【カード指定勝負】であり今回のビンゴバトルと同じ様なテーマとなっている。
49のミッションとキャラクターの中から1つずつ選択していく事になる。
これは、【華刻嬢チーム】の最初のミッションは【ヌルチーム】の【アフマッド(男性)】が【唐沢 美埜里】と言う【キャラクター】を選択し、【ミッション番号】は、【7番】を選んだ。
【ヌルチーム】と同じように展開すると思われるが、ここには【華刻嬢チーム】としての戦略がある。
49のミッションとキャラクターだが、どれとどれが組み合わさっても互角の勝負が出来る様になっている。
【華刻嬢チーム】が用意した49のミッションは、対戦相手同士お互い得意不得意の種目を用意してシャッフルして引き、勝負して、選択したキャラクターが勝った勝負を強引に【ミッション】と定義したのである。
つまり、どの【ミッション】も得意ジャンルと不得意ジャンルを指定しているので勝つか負けるかはフィフティー・フィフティーである。
そのため、どの組み合わせが勝つか負けるかは時の運。
つまり、どの組み合わせになろうが運が良ければ勝つ可能性があり、運が悪ければ負ける可能性があるという勝負になる【ギャンブル勝負】を持ちかけたのである。
これは【ミッション】と言う名前を借りた、ただの勝負事であり、【ミッション】は相手に勝つ事と言う事で定義している。
そのため、どの勝負であろうと、互角の条件で出来ると言う精神的な保護がされているのである。
また、49のキャラクターとミッションには特別に強いと言う難易度が高いキャラクターを選択していない。
そのため、劇的な展開にはならない。
そう言う運の勝負をする事にしたのだ。
それならば、強い騎手や馬、選手などが居る競馬や競輪と言ったような勝負事のギャンブルと言うよりはほぼ、運だけを狙った宝くじ系の勝負と言えるかも知れない。
また、【ミッション番号7】だが、【プロランダム勝負師】と言うミッションで、【8人制のトーナメント戦】で勝負して優勝すれば【ミッションクリア】となる。
この【ミッション番号7】で実際に優勝したのは【島本 里穂】と言うキャラクターで当たり前だが3回勝って優勝していると言う展開になっている。
これだと8分の1の勝率になってしまうと思われがちだが、決勝で当たる選手以外は得意なものもそれほど凄くない雑魚と言っても良いキャラクターになっている。
そのため、よっぽどの事が無い限り1回戦と準決勝で負ける事はない。
注意すべきは決勝で出てくる相手だけである。
1回戦と準決勝はあくまでも【ミッション】っぽく見せるための演出に過ぎない。
単純に1対1の戦いが1度あっただけだと【ミッション】っぽくないのでそれっぽく見せるために用意した茶番である。
【華刻嬢チーム】が考えているのは、本来【オリジナルバトルルール】であって【物語】ではない。
そのため、対戦するために作った【物語】は戦闘を有利にするのに特化させて作っている。
【物語】の重厚さなどは二の次で考えているのである。
【華刻嬢チーム】はチームとして【弱小チーム】である事は自覚している。
そのため、力を入れるべき所と手を抜く部分をしっかりとより分けて考えているのである。
これは勝利に貪欲な【華刻嬢チーム】らしい判断と言えるだろう。




