第九章2 【覇王杯/オーバーロード・カップ/裏側】2/【隼人】の女難1
【覇王杯/オーバーロード・カップ】を語る前に、本題から外れた位置で動いている者を少しピックアップしようと思う。
今回は、【大門 隼人】に焦点を充てようと思う。
彼は彼で色々やっている。
【隼人】は【芳一】の双子の兄、【唯野 徳太】の家で居候をしている。
元々、【芳一】が【徳太】の家に厄介になるところだったが、故あって、【隼人】が居候という立場になったのだ。
彼は現在、知りあった【柴田 哲夫】の薦めで【私立夢実現学校】東京校の一期生として活動している。
【夢異世界部活学校】は、【夢の異世界】で20年間【部活】をやりとげた時、【句点で区切られる一文で表現出来るどんな願いも叶えられる】という目的がある。
それに対して、【私立夢実現学校】は、【願い】を叶えることでは無く、【願い】を叶える【力】を貯める事が出来、本人が望めば、【教科】と言うことで【複数】の願いを選択する事が出来、【願い事】に応じて、活動期間は異なるというものになる。
そう言う学校に通うことになったのだ。
また、他にも【夢異世界部活学校】のライバルとなる対価を払って願いを叶えるアイテムを売るという【何出妄売店浮間店】の【浮間 平治】という男に声をかけられたり、【夢異世界部活学校】では、【選ばれし者】と関わったり、結構、不思議な体験をしている。
彼は【芳一】の防波堤?の様な役割をしていて、【芳一】が出逢う前に【隼人】と新しいトラブルが遭遇していたりしていたりする。
そんな不思議体験とお友達関係にありエピソードの多い人生を歩んでいる彼の不思議エピソードをまた1つ、紹介しようではないか。
彼は現在、呪いをかけられている。
逆恨みから来る理不尽な呪いである。
何があったのか?
それは念願叶って、【隼人】が【芳一】の姪で【徳太】の上の娘である【唯野 詩遊】と交際に至った事に発する。
【詩遊】には言い寄っていた男がいた。
【後藤 隆一】と言う彼女の同級生だ。
だが、【芳一】をバカにしたことから【詩遊】にこっぴどくフラれ、エリート意識が高かった彼は逆恨みをする様になった。
【隆一】は、その後付き合う事になった【詩遊】と【隼人】が分かれる【呪い】をかけた。
その化身が、【隼人】の初恋の相手、【佐竹 花緒】である。
【花緒】は女装趣味がある男子であり、芳一達をからかったりするが、れっきとした男性である。
だが、呪いの力により、【花緒】は【女性化】し、【隼人】に交際を申し込む様に仕向けたのである。
【花緒】の顔は同性であっても【隼人】の好みにピッタリである。
そんな【花緒】が異性として、告白してきたら、少なからず動揺するのでは無いか?と【隆一】はもくろんだ。
本当は、【隼人】が【詩遊】の前にのめり込んでいた、【神宮 美彩】も【呪い】の1つとして送り込みたかったが、あいにく彼女は【選ばれし者】として現在、【覇王杯/オーバーロード・カップ】の【順転参戦方式】の戦いに参戦中である。
この地上には【活動代理体】が居るのみで本物は居ないため、その呪いは通用しない。
もっとも、居たとしても【選ばれし者】が【隆一】の様な小さな男の呪いなどはねのけるだろうが。
よって消去法で、【女体化した花緒】が言い寄ってきたと言う事になっていたのである。
この【呪い】に対して、【隼人】はどう受けるのか?
また、【詩遊】の反応は?