第九章18 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第3試合】15/第3試合初戦2
【ヌルチーム】の出す【ロストアート/(忘れられた技術)】である第20作【トレンチポンチョ】対【華刻嬢チーム】の出す【オリジナルバトルルール】である第21案【瑛里沙ルック/トリプル】の対決は、【ヌルチーム】が、【ヌル】の元恋人【アフマッド(男性)】が【セレクター】、【ヌル】が【アソシエイター】となり、【華刻嬢チーム】は、【富山県立夢異世界部活学校出身】の【笹塚 舞帆】が【セレクター】、【広島県立夢異世界部活学校出身】の【大森 聡子】が【アソシエイター】となり勝負を開始した。
【ヌルチーム】の最初のミッションは、【華刻嬢チーム】の【舞帆】が、【スリ】と言う【キャラクター】を選択し、【ミッション番号】は、【4番】を選んだ。
49種類のミッションとキャラクターの組み合わせなので、滅多にそれがマッチする事は無い。
大概は、クリア出来たミッションとは違ったキャラクターが選ばれる事になる。
今回は当然、異なったキャラクターとミッションの組み合わせとなった。
この勝負には他のチームがやっている様にチームメンバーとキャラクターの同期が出来ない。
そのため、敵チームに選ばれたその【キャラクター】の【素】のままの状態で勝つしかないという条件となる。
【ミッション番号4】は、【探し物】が【テーマ】となっている物語だ。
ある異世界の【王子様】の20歳の誕生日に他の世界から来た女性を妃に迎えると言う話があり、【王子様】の好きな物トップ100が記された【書物】を町の至る所にばらまいているので、それ見て、より【王子様】の好きな物を見つけて来た【異世界の女性】を妃とする事が描かれている。
この【ミッション】での勝利者は、【異世界】から来た【レスタリ】と言う少女であり【スリ】ではない。
【レスタリ】はこの物語で【書物】に書いていないものを持っていって見事【王子様】の妃の座を射止めて【ミッションクリア】となっている。
【スリ】がそれ、もしくはそれに変わる何かを持ってこれるかが勝利の鍵となっている。
ライバルとなる他の世界から来た女性の中で最高ランクの物は8番目に好きな物を用意している。
つまり、【書物】に書かれているものの中から持ってくる場合はトップ7に入るものを持ってこないと勝利とはならない。
当然、トップ7のものを手に入れるのには、かなりの試練を突破しないとクリア出来ないだろう。
トップ7の物を持ってくる実力が無かった【レスタリ】はそれ以上の価値のあるものを見つけて【王子様】に提出し、ミッションクリアとなった。
では【スリ】はどんな【ミッション】をクリアしたどんなキャラクターか?
それは、【ミッション番号39】となる【逃げ切りの逃亡者】である。
物語では【スリ】を狙う、7人から逃亡し、その7人全員が死亡するまで逃げ切ったことで【ミッションクリア】となったキャラクターとなる。
つまり、【探し物】をする【ミッション】で【何かから逃げ続ける】という【キャラクター】なので、【ミッション】と【キャラクター】が真逆となっている。
【ミッション】が見つける、つまり、近づいて行くのに対して、【キャラクター】は逃げる、つまり遠ざかる事に特化しているからである。
ただし、上手く行くかどうかはそれだけで判断出来るものではない。
違ったエッセンスが混ざる事でどんな化学変化が起きるか?
それはやってみないと解らない。
それをこれから【テーブルトーク】としてやってみようではないか。




